『Toilet-bound Hanako-kun』のTeru同人で、彼が過去の失敗から逃げずに向き合う話を探してたんだ。見つけた『Cracks in the Armor』という作品が最高で、元妖怪だった女性と出会い、自分が傷つけた存在と向き合う過程で心を開いていく。面白いのは、彼が符を破るシーンで、今までは妖怪を祓うためだったのが、今度は彼女を守るために自ら符を引き裂くところ。あの頑固なTeruが価値観を変えていく瞬間がたまらない。
特に『Behind the Sacred Trees』という長編では、幼少期のトラウマが現在の人間関係にどう影を落とすかが丁寧に描かれていた。巫女としての母親との確執、弟・Yokoへの過保護な態度の根源が、過去の事件に起因していることを暴いていく展開。彼が最後に詠む祝詞の言葉が、最初と最後で全く違うニュアンスを持つ仕掛けは、作者の力量を感じさせる。
平安時代の歴史に興味があるなら、『平家物語』の関連書籍を探してみるといいよ。源久秀(Minamoto no Hisahide)はそこでは主要人物ではないけど、平家との関わりや当時の武士社会を理解する上で重要な背景が見えてくる。特に『平家物語を読む』(角川ソフィア文庫)は注釈が丁寧で、登場人物の人間関係が整理しやすい。
もう一冊おすすめなのは『武士の誕生』(講談社学術文庫)。こちらは平安末期から鎌倉初期の武士団の形成過程を描いていて、久秀のような中級貴族出身の武士がどのように勢力を築いたか、経済基盤や土地支配の実態から解説されている。史料の読み解き方が面白く、当時の『権力の力学』が腑に落ちる構成だ。
個人的に意外だったのは、久秀が歌人としても活動していたこと。『平安和歌集全注釈』(笠間書院)で彼の詠んだ歌をいくつか見つけた時は、武将としてのイメージとのギャップに驚いたものだ。