例えば『neither here nor there』というフレーズは、『どっちつかず』というニュアンスで使われます。政治的な議論で中途半端な立場を批判する時なんかにピッタリですね。もう少し砕けた表現なら『up in the air』もよく使われます。プロジェクトの進捗が不透明な時、『It’s still up in the air』なんて言い回しを耳にしたことがあるかもしれません。
「有無を言わさず」という表現を英語に訳す時、文化の壁を感じることがあるよね。直訳すれば'without yes or no'だけど、これじゃニュアンスが伝わらない。ネイティブが使うのは'no ifs or buts'かな。『文句なしに』って感じで、軍隊ドラマで上官が部下に命令する時とかによく出てくる。
面白いのは、似た表現が'my way or the highway'(俺のやり方か去るか)ってのもある。こっちはもっと権力的なニュアンスで、『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーが部下に言いそうなセリフだ。同じ「強制」のニュアンスでも、英語だと状況によって使い分けが必要なのが難しいところ。
英語には『言わぬが仏』と完全に一致する表現はないけど、ニュアンスが近いフレーズはいくつかあるね。例えば『Silence is golden』は、沈黙の価値を強調する点で共通している。19世紀の詩人トーマス・カーライルが『言語は銀、沈黙は金』と書いたのが起源で、不用意な発言より黙っている方が賢明だという教えだ。
面白いことに、ビートルズの同名曲がこのフレーズを広めたせいか、海外ドラマ『ブレイキング・バッド』でもワルター・ホワイトが皮肉っぽく引用していた。文化によって沈黙の捉え方が違うのは興味深い。日本の『言わぬが仏』には仏教的な背景があるが、西洋のそれはどちらかと言えば処世術的なニュアンスが強い気がする。
個人的には、『Better to remain silent and be thought a fool than to speak and remove all doubt』というリンカーンの名言も近いと思う。SNS時代の今こそ、不用意な発言を控える知恵がますます重要になっているんじゃないかな。