映画音楽の中で『清い』という感情を昇華させた作品といえば、まず思い浮かぶのは『千と千尋の神隠し』のサウンドトラックです。久石譲の手にかかると、無垢な少女の成長物語が、ピアノとオーケストラの調べで清冽な泉のように流れ出します。特に『あの夏へ』という曲は、懐かしさと新たな始まりが混ざり合ったような透明度の高いメロディで、聴くたびに心が洗われる感覚があります。
もう一つ注目したいのが『もののけ姫』の主題歌。森の
精霊たちの存在を感じさせる合唱部分は、世俗を離れた神聖な空気感に満ちています。自然に対する畏敬の念と、人間の業を対比させるような音楽構成が、『清い』という概念を多層的に表現しています。これらの作品は、単なるBGMではなく、物語そのものの魂を形作っていると言えるでしょう。