制作の舞台裏には、しばしば想像以上に濃いエピソードが転がっている。'
シャルロッテ'について語られる裏話も例外ではなく、脚本の微調整やトーンの振れ幅に関する話が多く出てくる。関係者のインタビューでは、当初の構想段階から物語の重心が何度も議論されたこと、コメディ寄りのパートとシリアスな救済劇の配分を詰めるのに苦労したと伝えられている。制作スケジュールの制約や話数の枠によって、サイドキャラクターの扱いが変わった――そんな逸話はファンミーティングでもしばしば話題になる。
僕が特に興味深いと思ったのは、音楽と演出が互いに影響し合う過程だ。楽曲の細かいタイミングを演出側が要求し、音楽側がそれに応える形で場面の長さやカット割りが変わったという話を聞いたことがある。監督や脚本家、音響スタッフの協議が何度も行われ、結果的に一話一話の感情の起伏が強く表現されたのだろうと感じる。なお、'Angel Beats!'に関する話題と絡めて語られることも多く、制作チームの過去作で培ったノウハウが生かされた場面も多い。
現場での小さな逸話も好きだ。声優のアドリブが採用されて思わぬ名セリフになった例や、絵コンテ段階で生まれた表現が最終話で効いてくる瞬間など、細部にこそ制作の熱量が滲んでいる。そうした積み重ねがあるからこそ、視聴時に胸を突く場面が生まれたのだと私は思っている。