生まれ変わった私、正しい選択父から、幼馴染である如月兄弟のどちらかを婚約者に選ぶように言われたとき、私は迷わず如月遥人(きさらぎ はると)を選んだ。十三年間、ずっと彼に恋焦がれていたからだ。
しかし、結婚式当日、彼の義理の妹がホテルの屋上から身を投げた。彼女は血で書かれた遺書を残していた。
【お二人がいつまでも幸せでありますように】と。
その時初めて、私は二人が長年、禁断の愛を育んでいたことを知った。
結婚式の最中、遥人は正気を失い、「縁を切り捨てる」と宣言した。
私は一人、無力にその場に取り残された。それからの人生、彼は義妹の位牌の前で贖罪の日々を送った。私は彼に欺かれたことを恨み、この結婚に固執し、互いを苦しめ合った。
そしてある日、私たちは拉致事件に巻き込まれた。私を救うために、彼は犯人と共に爆発に巻き込まれた。死の間際、彼は私を見つめて言った。
「琴音、今まで隠していたのは俺が悪かった。だが、俺と妹、二人の命だ。これで借りは返せただろう?
来世では、もう俺を選ぶな」
再び目を開けると、私は父に婚約者を選ぶように言われたあの日――運命の日に戻っていた。今回、私は迷うことなく、彼の兄である如月湊(きさらぎ みなと)を選んだ。