胸がざわつく主題歌というテーマで、最初に頭をよぎるのは'東京喰種'のオープニング『unravel』だ。歌詞の中で「壊れてしまえばいい」といった破壊と自己否定が繰り返されるたび、虚無感がどんどん膨らんでいく。曲調は激しくもあり切実でもあって、聴くと自分の存在の輪郭が溶けていくような感覚になる。アニメ本編の孤独や喪失感とぴったり重なって、主題歌が物語の空洞を増幅させている印象を受ける。
別の角度で言うと、'PSYCHO-PASS'で使われた『名前のない怪物』は、自己の不在と無力さを突きつけるような冷たい語りが心に残る。歌詞は人格の希薄化や「何者でもない」ことへの諦観を滲ませ、テクノ寄りの冷たいサウンドが虚しさをさらに際立たせる。映像と相まって、人と社会の隙間にぽっかりと空いた空洞を感じさせるのがうまい。
さらに世代的に刺さるのは'エルフェンリート'の『Lilium』だ。宗教的な合唱とラテン語めいたフレーズが、救いのない祈りのように聞こえる。言葉数は少なくても、繰り返される旋律が虚無の深さを示している。最後に挙げるとすれば、'ドメスティックな彼女'の主題歌『kawaki wo ameku』も忘れられない。渇望と欠落をストレートに歌い上げる詞が、満たされない感情を露わにしている。どの曲も直接的に「虚しい」と表現していなくても、言葉選びや音の余白が余計な感情を奪い去り、聴き手に静かな空虚を残す。私はこうした楽曲が持つ余韻に惹かれる一方で、時にそれが心をぐっと抉ることを知っている。