さらに世代的に刺さるのは'エルフェンリート'の『Lilium』だ。宗教的な合唱とラテン語めいたフレーズが、救いのない祈りのように聞こえる。言葉数は少なくても、繰り返される旋律が虚無の深さを示している。最後に挙げるとすれば、'ドメスティックな彼女'の主題歌『kawaki wo ameku』も忘れられない。渇望と欠落をストレートに歌い上げる詞が、満たされない感情を露わにしている。どの曲も直接的に「虚しい」と表現していなくても、言葉選びや音の余白が余計な感情を奪い去り、聴き手に静かな空虚を残す。私はこうした楽曲が持つ余韻に惹かれる一方で、時にそれが心をぐっと抉ることを知っている。
『NieR:Automata』のサウンドトラックは虚無感を表現する傑作だ。機械と人間の境界が曖昧な世界観に、電子音と生楽器の融合が絶妙にマッチしている。特に『Weight of the World』は、キャラクターたちの存在意義を問う歌詞が胸に刺さる。
一方で『攻殻機動隊』の音楽も忘れがたい。ケンイチ・カワイの手掛けたテーマ曲は、サイバーパンクの世界に漂う孤独感を増幅させる。無機質な電子音の中に、かすかに人間らしさがのぞく構成が秀逸。特に『謡I-Making of Cyborg』は、人間と機械の融合というテーマを音で表現した名曲だ。
これらの作品に共通するのは、テクノロジーが発達しても埋められない人間の空虚さを、音楽で可視化している点。聴き終わった後に残る寂寥感は、まさに『虚しく意味』を追求した結果と言える。