色のトーンで空気感を作るのはいつも面白い挑戦だ。淡い
ペールブルーは扱い方次第で透明感にも、切なさにも振れる色だから、まずは“何を伝えたいか”を決めることが出発点になる。
僕は背景を単なる塗りつぶしにしないように気をつけている。具体的には彩度を落とした複数のブルーをレイヤーで重ね、上から薄いグラデーションをかけて奥行きを出す。遠景はより淡く、手前ほど僅かに冷たさを抑えることで、視線の誘導が自然になる。例として、映画で見たワンシーンのように、ペールブルーを使って距離感と時間の移ろいを表現できる場面がある。'秒速5センチメートル'のような作品では、色で感情の余白を作るのがとても効果的だと感じた。
加えてテクスチャーの挿入も有効だ。ざらついた紙のノイズや薄いスクリーントーンを掛けて、のっぺりしないようにする。重要なのはコントラストを低めに保ちつつ、アクセントに暖色を少しだけ差し込んで視線を引くこと。そうすればペールブルーは静謐さと表情の両方を与えてくれる。