深夜番組と共に消え去る愛私・朝倉夢子(あさくら ゆめこ)は十年間、深夜ラジオパーソナリティを務めてきた。
番組終了前の最後の生電話で繋がったのは、一人の女子大生だった。
「朝倉さん、こんばんは。実は今、とても悩んでいて……胸が苦しいんです。大学の先生のことを好きになってしまって。
彼には奥さんがいるはずなのに、私にはすごく優しくて……
私が風邪を引いた時は手作りの料理を持ってきてくれたり、落ち込んでいると夜遅くまで話に付き合ってくれたり、旅行にも連れて行ってくれたりするんです……」
彼女の話を最後まで静かに聞き終え、私はゆっくりと口を開いた。
「……素敵な人に惹かれてしまうのは、自然な気持ちですよ。ただ、今は、まず学業を最後までしっかりやり遂げることが、何より大事だと思います。
実は、私も高校生のとき、教育実習の先生にひそかに想いを寄せていました。でも、今の夫と出会って、初めて本当の恋愛や、大人の愛というものがどんなものかわかったんです。
あなたにもきっと、本当にふさわしいような素敵な人が巡ってきますよ!」
少女は意味深な笑みを漏らした。
「本当にうらやましいです、先生の奥さま」