私は、神聖ローマ帝国が何世紀にもわたる政治的実体であったことを前提に、どの時代の再現を目指すのかを最初に決めることを勧める。12世紀と15世紀では袖や身幅、装飾の程度がまるで違う。資料は写本の図像や肖像画、当時の規範を示す記録が頼りになる。たとえば『The Name of the Rose』に登場する修道院の服装は、宗教的規範と実用性のバランスを見るうえで参考になる部分がある。
小物も侮れない。帽子や被り物、帯状の細工、革製の小物は全体の完成度を左右する。履物は当時の形状に寄せつつも安全性を考えたソール加工をすると会場での行動が楽になる。普段から携帯する針糸やテープ、予備の留め具を用意しておくと簡単な修繕ができ、写真撮影のチャンスを逃さない。『The Pillars of the Earth』の映像表現に触発されて、重ね着と陰影の作り方を真似したことがあるが、あれも参考になった。