最後に軽めの読み物としておすすめしたいのが、'Death Is the Only Ending for the Villainess'だ。設定自体がメタ的で、主人公が“ゲームの悪役令嬢”としての運命を自覚して行動する場面に、自然とユーモアが生まれる。私はとくに、作者がキャラの欠点や状況をあえて誇張して笑いに変える手法が好きで、シーンの随所にある小さなギャグが積み重なって全体の雰囲気を軽やかにしていると感じる。
少し違う角度から推したいのは、'The Villainess Turns the Hourglass'だ。海外の作家による作品で、復讐劇的な要素もあるけれど、意外とブラックユーモアや皮肉の効いた場面が多くて、単純なシリアスでは片付かない面白さがある。私は登場人物の性格変化と、作者の語り口に含まれる乾いた笑いが気に入っている。物語の“転換点”で見せる意表を突く描写が、笑いと緊張を同時に生み出すのだ。