小さな観察が真相への鍵を握っている、そう感じる場面が多い作品だ。僕は映像表現に強い関心を持っているので、色彩やライティングの僅かな変化から伏線を読み解くのが好きだ。
たとえば、『
ゴーストオブヨウテイ』では特定の色味が再帰的に使われている。序盤の一瞬だけ見える赤い紐や、背景に溶け込んだ薄緑の布切れが、後の回想シーンや重要人物の衣装に必ず繋がってくる。色は無意識にプレイヤーの注意を誘導するので、鮮やかな瞬間だけでなく“そこはかとなく似た色”にも目を配ると良い。
また、会話テキストの中で繰り返される単語の選択に注目すると、作者が伏線として埋めたテーマが見えてくる。具体例としては、何気ない宿屋主人の
独り言や、通行人の噂話が、主要登場人物の過去をほのめかす断片になっていることが多い。それから、敵のデザインや名前の由来も見逃せない。外見的特徴に古伝承のモチーフが埋め込まれている場合、物語のルーツや世界観の拡張が示唆されていることがある。
ここで触れた観察法は、別作品『ダークソウル』で僕が身につけた読み取り方と共通する。焦らず細部を拾っていけば、驚くほど多くの伏線が目の前に現れるはずだ。