黒執事'のシエルとセバスチャンの関係は、契約という冷徹な枠組みの中に芽生える複雑な感情の絡み合いが魅力だ。主人と執事という立場でありながら、セバスチャンは時にシエルを超えた存在として振る舞う。あの「ひとつの魂をいただきます」という台詞には、単なる召使い以上の執着が感じられる。
シエルの成長過程でセバスチャンが果たした役割は大きい。復讐に燃える少年を、時に厳しく時に優しく導く様子は、教育者的な側面も覗かせる。特に『Book of Circus』編では、シエルが自分の力で判断する場面が増え、両者の関係性に新たな深みが加わった。\n
最終的には対等と呼べる関係ではないが、契約を超えた信頼関係のようなものが築かれているのが興味深い。あくまでも「契約」という形式を保ちながら、実際にはそれ以上の結びつきがあるという曖昧さがこの作品の醍醐味だ。