思いがけず英語版のシモンを見ると、印象がガラッと変わる瞬間があって面白いです。英語版ではユリ・ロウレンス(Yuri Lowenthal)が当てていることが多く、その演技の特徴は“強い意志を感じさせるエネルギー”の出し方にあります。声のレンジを広く使って、内向的だった少年が徐々に自己を確立していく変化をダイナミックに表現するのが得意です。
具体的には、台詞のアタックの仕方がはっきりしていて、重要な場面で声を前に出す力技的な説得力がある。感情が高ぶる場面では比較的クリアで力強いボーカルを選び、逆に弱音を吐く場面では急に抑えることでコントラストを作る。このメリハリが視聴者の感情をグッと引っ張る要因になっていて、特に群像劇や熱い展開が続く作品では映えるタイプです。
私は、この英語版の演技は“外へ向かう力”が際立っていると感じます。日本語版の細やかな内面
描写とは異なり、外面的な変化や決断の瞬間を強調することでキャラクターの成長をドラマチックに見せる。どちらが良いかは好みですが、雄々しい一面を楽しみたいなら英語版のアプローチが刺さるはずです。