主人公が値踏みをするシーンから始まるマンガといえば、『ワンピース』の
冒頭を思い出す。ルフィがシャンクスの酒を勝手に飲んでしまい、その代償として片腕を失う覚悟を問われる場面は、単なる喧嘩以上の価値観の衝突を描いている。シャンクスの「酒は戦いのためのものじゃない」という言葉は、物語全体のテーマである「仲間と夢の尊さ」を象徴的に示す導入だ。
もう一つ注目したいのは『進撃の巨人』の初期シーン。エレンが壁の外への憧れを語り、母親に「この牢獄で終わるのか」と問いかける場面だ。ここでの「値踏み」は物理的な壁を越えるかどうかではなく、人類の生存そのものに対する根本的な疑問に繋がっている。後の展開を考えると、このシーンは主人公の価値観が世界そのものと対峙する伏線となっている。
こうした作品に共通するのは、主人公の選択が単なる個人の決断ではなく、物語全体の価値体系を定義づける瞬間として描かれている点だ。冒頭の値踏みシーンが後の成長や苦悩を予感させる仕掛けになっている。