プロットの骨組みを組むとき、核心となる“変化の法則”を物語の初期に暗示しておくと後が楽になる。変化がランダムに見えても、一定のルールや制約があることで回収が可能になるからだ。僕は物語の開始側で微かなズレや矛盾を差し込んでおき、終盤でそれが繋がる構成をよく選ぶ。
登場人物ごとに「変化の経路」を定めるのも有効だ。ある人物は外的出来事が引き金になって変わり、別の人物は内部葛藤の累積で変わる。互いの変化が影響を与え合うようにプロットラインを交差させると、
千変万化というテーマが自然に立ち上がる。細部では小説的技巧として記憶の書き換え、視点交替、未来の断片を挿入する手法を使うことが多い。
構成の種類も工夫する価値がある。循環構造にして最初と最後を鏡合わせにする手もあれば、枝分かれするマルチエンディングを用いて読者に“どの変化を選ぶか”を突きつけることもできる。僕はある程度読者を導く痕跡を残しつつ、予期せぬ帰結を用意することで驚きを演出するのが好きだ。参考になる物語の構築例として、政治と運命が次々と入れ替わる群像劇のような'ゲーム・オブ・スローンズ'の語り口も勉強になる部分が多いと感じている。