肩の力を抜いて入りたいなら、'Red, White & Royal Blue'がとても読みやすくてとっつきやすい作品だと感じる。アメリカの若い王子と大統領の息子という設定がまず面白く、恋愛のドキドキとユーモアがバランス良く混ざっているから、BLに初めて触れる人でも感情移入しやすい。翻訳も複数出ているし、テンポが良いのでページが進む感覚を体験しやすいのが魅力だ。
神話や叙情的な筆致が好みなら、'The Song of Achilles'をすすめたい。ホメロスの物語をベースにした再話で、恋愛の描写が詩的で切実だ。若い頃に読んだとき、言葉の一つひとつが胸に響いて、登場人物の感情が丁寧に編まれているのを感じた。過度な erotic 描写に頼らずとも、関係性の深さで強く心を動かされるタイプの作品だ。
昔から恋愛ものを嗜んできた視点から言うと、導入として読みやすい作品群をいくつか挙げたい。まずは物語の勢いで引き込まれるタイプがいいなら、政治的陰謀とじれったい関係性が魅力の『Captive Prince』を勧める。細やかな駆け引きと屈折した感情の描写が丁寧で、恋愛の始まりが段階的に描かれているから初心者でも追いやすいと思う。
対照的に、軽やかな現代ラブコメが好みなら『Red, White & Royal Blue』が読みやすい。テンポが良くてユーモアが効いているから、BL慣れしていない人にも敷居が低い。情感重視で叙情的な作品に触れたいなら『The Song of Achilles』が意外と入り口になる。神話的な背景があるけれど、二人の関係性の描写が深く、文学的な味わいがあるので好みが広がるはずだ。
僕自身、作風の違う三作を読み比べてから好みがはっきりした。どれも“BL”という枠だけでなく、人物描写や語り口の違いで楽しめるので、まずは一冊手に取ってほしい。