もう少し古典的な雰囲気を味わいたいなら、'雪国'のような抒情的な日本文学を試してみてほしい。こちらは語り口が異なるため少し集中力が要るが、風景描写や人間関係の描き方からその土地の精神性が伝わってくる。最後に、極東という広い枠組みで中国の田舎や農民文化を知りたいなら'"The Good Earth"'も有効だ(英訳・翻訳で読みやすい版を探すといい)。読み方のコツとしては、最初は短めで現在の生活に近い設定の作品から入り、徐々に古典や歴史小説に広げていくと挫折が少ない。好みが分かれたらその作者の短編やエッセイで様子を見るのも手だ。自分のペースで楽しめば、自然と世界が広がっていくはずだ。
中国現代史や文化の断片を短時間で感じたいなら、'Balzac and the Little Chinese Seamstress'が面白い。文化大革命下の若者たちを通して、言葉や文学の力を実感できる。韓国を舞台にした感情の厚みを求めるなら'Please Look After Mom'が家族の絆や世代差を静かに見せてくれる。どの作品も最初の数章で「この作者の声に合うか」を判断しやすいので、合わなければ別の一冊に移るくらいの軽さで読み始めてほしい。結局、自分が興味を持てるテーマに触れる一冊が、極東の世界へ踏み出す最良の入り口になると思う。