即効性のあるひねりは短い一言から始まることが多い。まず台詞を削ぎ落として、登場人物の性格や状況だけで意味のズレが生まれるように設計する。例えば感情的な場面で予想外に冷静な言葉が差し込まれると、笑いでも驚きでも強い印象になる。私は実際に短い台詞の候補を紙に撒いて、どれが最も場の期待を裏切るかを試す癖がある。
次に、文脈の逆手取りを意識する。読み手が期待している情報をわざと一部遅らせたり、別の方向に導いたりすると、最後の一行で
頓智が効く。経験上、前振りを控えめにしておくと回収の瞬間が輝きやすい。
最後に固有名詞や既存の設定をうまく利用するのがコツだ。古典的だが'シャーロック・ホームズ'的な推理の仮面を被せて、最後に小さな論理のズレを明かすと、技巧の効果が引き立つ。自分の作品ではこの手法を重ねて読者を唸らせる場面を作っている。