あのキャラの行く末を知りたいなら、原作マンガはかなり深くまで描いていると感じる。序盤で提示された背景や動機は丁寧に回収され、特に家族関係やトラウマに絡む描写が章を重ねるごとにつながっていく場面は胸に残った。僕は細かな感情描写が好きなので、日常のちょっとしたやりとりが後の決断につながる様子を見るとぐっとくる。
物語の大きな転換点──仲間の離反や過去の真相が明かされるエピソード──まではしっかり到達している。つまり、
きゅうかの成長軸は途中の山場まで描写済みで、そこから先はより大きな対立と決着に向かうフェーズに入っている印象だ。結末や完全な総括まではまだ描かれていないが、伏線は多く張られていて回収の期待が膨らむ。
読み進めれば進めるほど、過去編の掘り下げと現在編の並行で人物像が立体的になっていく。僕はこの手の積み重ねが好きなので、未完の部分があるとはいえ満足度は高い。次巻でどう展開するか、本当に楽しみだ。