面白い問いだね。原作読者があるキャラクターを「どの章で登場した」と認識するかには、いくつかの判断基準があって、それを押さえておくと混乱が少なくなるよ。
まず基本的な考え方として、読者の多くは「名前が明確に出ていて、物語中で意味のあるやり取りや行動をした章」をそのキャラの登場章とみなすことが多い。単なる背景の一員やモブ扱いのカットでちらっと映るだけだと、後の巻で名前付きで紹介されるまで登場扱いにならないケースがよくある。だから僕は、初出を決める時には“名前の初出”か“台詞や重要な行動の初出”のどちらが先に来るかを基準にしている。
次に、具体的に確認する手順を紹介するね。まずは原作の公式な章リスト(雑誌の連載分・単行本の目次)を確認する。巻ごとの目次や出版社の公式サイトには、キャラ名や章タイトルが載っていることがある。次に、その候補章を開いて、キャラが名前で呼ばれているか、台詞があるか、話の流れに影響を与えているかをチェックする。名前だけ呼ばれている“言及”と、実際に登場して会話や行動をする“実際の登場”は区別して考えるのがポイントだよ。
読者間で登場章への見解が割れる主な理由も触れておくね。ひとつは、雑誌連載時と単行本収録時でページ差やカットがある場合。連載時のページが短縮・再編集されると、読者によっては別の章を“初出”と感じることがある。ふたつ目は、アニメ化や外伝で登場時期が変わるケース。アニメではシーンを前倒ししたり合成したりするから、アニメ派と原作派で認識の齟齬が出やすい。最後に、翻訳版や地域版で章番号がずれる場合も混乱のもとになるから、原作読者の議論では「原語(日本語)での章番号」を基準にしていることが多い。
実務的なアドバイスとしては、まず単行本の目次と該当場面を直接照らし合わせること。分からなければ出版社の公式書誌情報や作者のコメント(巻末のおまけページなど)を確認するのが確実だ。ファンコミュニティやウィキは便利だけど、情報が混在していることもあるので、最終判断は原典に当たるのが一番安心だよ。
こうした基準を使えば、『
どうきん』がどの章で「登場」したと原作読者が認識するか、かなり明確に判断できるはずだ。