呪詛って、物語世界の“ルールの一部”になることが多いと思う。僕はその設計を読むのが好きで、機能を大きく三つくらいに分けて考えることが多い。
まず一つ目はリソースとしての呪詛だ。『呪術廻戦』のように、負の感情や恐怖がエネルギーになって具体的な存在を生む設定では、呪詛は世界の力学を動かす燃料になる。そういう作品だと、呪詛をどう管理するか、誰が供給源になるかが勢力図に直結する。僕はこのタイプの描写で、階層的な組織や儀式が生まれる様子を見るのが楽しい。
二つ目は契約や代償としての呪詛。呪いをかけるには代価が必要だったり、解除には代わりに別の何かを失うといった“コスト”が設定されると、物語に緊張感が生まれる。登場人物の選択や葛藤が深まるし、呪詛そのものが道徳や責任の象徴になる。
最後は物語装置としての呪詛。呪いは過去の罪やトラウマを具現化して、キャラクターの成長や世界の秘密を明かす手段になる。僕は呪詛を単なる恐怖要素に留めず、人物関係やテーマを掘り下げるために使う作品に強く惹かれる。こうした使われ方を見ると、呪詛は単なる呪い以上の意味を帯びてくるんだ。