子どもが見る怖い夢を和らげる具体的な対処法は何ですか？

思い返すと、子どもが怖い夢を見たときの反応には何パターンかあると気づく。僕はまず恐怖を否定しないよう心がける。泣いて飛び起きた子に対して「大丈夫、ただの夢だよ」とだけ言うのは逆効果になることが多いから、まず感じていることを受け止めてから落ち着かせる。具体的には深呼吸を一緒に３回やって、そのあとに出来事を子どもの言葉で繰り返す。自分の感情を整理させると、不安が半分くらいになることが多い。

次に、その夢を“作り替える”ワークを試す。紙と色鉛筆で夢の一場面を描かせ、怖い要素をユーモアや安全なものに変えるよう促す。例えば巨大な影をふわふわのぬいぐるみにしたり、追いかけてきた怪物を転んで笑ってしまうキャラに変えさせる。僕はこれを何度か家で練習して、子どもが自分で夢の終わり方をコントロールできると実感できるようにしてきた。実際、ある子は恐い場面を『となりのトトロ』のような温かいイメージに置き換えてから、目覚めた後も落ち着きが長持ちするようになった。

さらに日常的にできる工夫としては、眠る前のルーティンを一定にすること、刺激の強い映像やゲームを控えること、安心のしるしになるぬいぐるみやライトを用意することが効果的だと感じる。夢日記をつけるのもおすすめで、起きた直後に短く書くことで夢が外へ出て行きやすくなる。もし悪夢が何週間も続き、日中の不安や登園・登校の拒否につながるようなら、専門家に相談する時期かもしれないと僕は考える。どれも急に劇的な変化を望むものではなく、小さな安心を積み重ねる作業だ。最後には必ず褒めて、怖さを乗り越えたことをしっかり認めてあげるのが肝心だと自分は信じている。

経験上、手早く安心感を取り戻させるためには具体的で短い言葉が効く。俺はまず子どもの呼吸を整えることから入る。『大きく鼻から吸って、ゆっくり口からふーっと』という一文だけで、身体の過剰な緊張が道を変えることが多い。次に簡単な現実確認を促す。『今ここにいるよ。痛くない？怖いものはもうない？』と、短く優しく確かめることで恐怖のループを断ち切る。

その場が落ち着いたら、子どもと一緒に“勝てる方法”を考えるのが俺の常套手段だ。懐中電灯を持たせて影を追い払う遊びや、夢の中の敵をバナナで転ばせるイメージにするなど、子どもが能動的に恐怖を変換できるよう導く。年齢が上なら『ハリー・ポッター』のように想像上で魔法を使う設定にして、自分を守るスクリプトを作らせるのも有効だ。

最後に日中に恐怖を話す時間を短く設けると良い。長々と分析する必要はなく、『それを変えられるアイデアを一つ教えて』と投げるだけで子どものコントロール感を育てられる。繰り返す場合や日常生活に支障が出る場合は、専門家の力を借りる判断を俺は躊躇しない。短く安心させ、次の一歩を一緒に考えることが肝心だ。