この作品の面白さは、普通の青年が超常的な力を手にした時の心理描写にある。佐藤亮という青年が、些細なきっかけで他人の運命を変えられる能力を得て、最初は迷いながらも徐々にその力に溺れていく様子がリアルだ。
特に興味深いのは、善意から始めた行為がどんどん暴走していく過程。
クラスメイトの悩みを解決してあげたつもりが、予想外の連鎖反応を引き起こすエピソードなど、読んでいてハラハラさせられる。
後半になると、この力を使えば使うほど主人公自身も変わっていく。最初と最後の主人公の表情を比べると、同じ人物とは思えないほど。力を持つことの危うさを考えさせられる。