『バタフライ・エフェクト』のエヴァンが過去を変えようとするたびに事態が悪化していく過程は、彼のフラストレーションが次第に高まっていく様子が痛いほど伝わってきます。特に最後の選択肢に至った時の絶望感は、観ている側も胸が締め付けられるようでした。
アニメ映画では『紅の豚』のポルコが、戦争のトラウマから逃れるために豚の姿を選んだ背景に潜む怒りと無力感が、空戦シーンで爆発的に表現されています。スタジオジブリ作品の中でも特に大人向けの感情描写が光る瞬間です。
このような感情の爆発シーンが印象的である理由は、普段は押し殺している感情が一瞬で解放されるからでしょう。現実ではなかなかできないことを、映画の主人公が代行してくれるような
カタルシスがあるのです。