おすすめを絞るのは楽しい作業だ。まずは古典と直球の孤独感を味わいたい人向けに三作を挙げる。
一つ目は『荒野の呼び声』。犬が主人公という点で異色だけれど、野生に立ち返る孤独の描写が胸に刺さる。群れから離れ、試練を単独で切り抜ける動物文学の雄作で、人間の孤独譚と並べても通じる普遍性がある。
二つ目は『老人と海』。短いながらも濃密な孤独の闘いが描かれていて、相手が魚であれ自然であれ、
孤高の姿勢や内面の対話が深く刻まれる。読み終えた後にじわじわと余韻が残るタイプだ。
三つ目は映画の『タクシードライバー』。都市の喧騒の中で孤立する人物像が生々しく、孤独が暴走する危うさまで含めて考えさせられる。いずれも“孤独をどう受け止めるか”という問いをくれる作品で、自分の好きな孤高像を見つけられるはずだ。