一匹狼キャラの商品化って、実は“孤独”を売るのではなく“共感の入口”を作る仕事だと考えている。自分が関わるときはまずキャラクターの細部――装備の擦れ、表情の一瞬、行動の動機――を洗い出して、それを軸に商品ラインを設計する。例えば『ベルセルク』のような存在感の強い
孤高キャラなら、重厚感のある素材や経年変化を楽しめる加工を取り入れると刺さりやすい。ファンは単なるイラスト以上の“触れる物語”を求めているからだ。
次に、多層的な展開を意識する。入門向けのポスターやTシャツ、ファン向けの限定アートブック、さらにコア層向けにハンドメイド感のある小物やシリアルナンバー入りのブロンズプレート付きフィギュアなど、価格帯と熱量で層別化する。自分はこの方式で、まず手に取りやすい商品で新規を取り込み、購入後の満足感で上位商品へ誘導する設計を重視する。
最後にコミュニティとの対話を忘れない。ファンアート企画を公式ストアでフィーチャーしたり、原作のワンフレーズをパッケージに添えた限定版を作ったりすると、話題が生まれて自然と認知が広がる。自分の経験では、丁寧な物語化と層を意識した商品設計を両立させると、単発の売上ではなく持続的な支持が育つことが多かった。だからこそ、孤高の魅力をどう生活に溶け込ませるかを常に考えている。