歌詞に豪華な修辞が散りばめられている曲に触れると、まず感情の輪郭が鋭くなるのを感じる。
僕は昔から詩的な言葉遣いが好きで、'Lemon'のような曲を聴くと、ただの悲しみが光と影の層をまとって立ち上がる様子が伝わってくる。
美辞麗句は直接的な説明を避け、イメージを重ねることで聴き手の解釈や記憶に入り込みやすくする。メロディとの相性が良ければ、言葉の装飾は感情を増幅し、繰り返し聴きたくなる余韻を作る。
ただし過度な装飾があると距離感も生まれる。僕が気にするのは、言葉が演技的に響かずにどれだけ真実味を保てるかという点だ。歌い手の声や演奏がそのバランスを取れば、華美な表現は曲の魅力を大きく伸ばすと思っている。