平安
貴族社会の階層構造を考えると、殿上人と地下人の違いは単なる身分差以上の深みがあります。
殿上人は清涼殿への昇殿を許された貴族で、政治の中枢に関わる特権階級。一方、地下人は昇殿資格のない下級貴族や官人を指しますが、単に権力から遠いというだけではありません。『源氏物語』でも描かれるように、殿上人は華やかな表舞台で
権謀術数を巡らせる存在ですが、地下人はむしろ実務能力に長け、社会の歯車として機能していました。
興味深いのは、『枕草子』に登場する地下人たちの描写。清少納言は彼らを「地味だが誠実」と評しつつ、時に殿上人以上の教養を持っていることに言及しています。宮廷社会の陰陽のように、両者は互いを必要としながらも鋭く対立する関係だったのでしょう。