また、ロシア語版やトルコ語版、アラビア語版のように文脈に合わせたローカライズが功を奏している国もあって、言語は単なる直訳以上に文化的つながりを作る役割を果たしている。古典小説の翻訳事情を比較する際に参考にしているのは『The Count of Monte Cristo』の各国版の扱い方で、翻訳の質と流通チャネルが読まれ方を大きく左右するのを何度も見てきた。
中国語圏は簡体字・繁体字で読者層が分かれ、どちらも独自のレビュー文化を持っている。中東や南アジアでは英語版がまず広がり、その後現地語に翻訳されて定着するパターンが多い。こうした違いは『The Little Prince』の多言語展開を比較するとわかりやすく、単に翻訳するだけでなく翻訳後の流通戦略が読まれ方を決めると考えている。