自分の経験では、若者同士の会話なら "not bad at all" や "pretty good, actually" がよく使われる。これらは前向きさをやんわり示すのにぴったりだ。対して年上やフォーマルな場面では "It's not entirely unpleasant" や "I can't complain" のようにやや婉曲的な表現が自然に受け入れられる。字幕や吹き替えでは話者の性格やリズムを優先して、短くパンチのあるフレーズを選ぶことが多い。
翻訳の際は、感情の強さやユーモアの有無を記号のように扱っている。例えば照れ隠しが強ければ "I kind of like it"、皮肉が混じるなら "I don't hate it" を選ぶ。結局、私は原文のさじ加減を保ちつつ、英語圏の聞き手に違和感を与えない言い回しを探ることが大切だと感じている。
翻訳という仕事をしていると、小さな選択が作品の空気をがらりと変えてしまう瞬間を何度も見る。直訳だと"The stars are beautiful, aren't they?"が素直な英語表現で、会話文のまま訳すならこれがまず候補になると思う。だがこの一文が含む空気や意図をどう扱うかで訳し方は分かれる。
ある伝統的な解釈では、この種の言い回しは愛情表現の婉曲(えんきょく)として受け取られるので、文脈次第で"What I'm trying to say is... I love you."のように明示的に訳すことも考えられる。私は作品の声色を大切にするので、作者の微妙な含みを壊さないために脚注で補足するか、訳文に少し詩的な余韻を残す方法を好む。
逆に軽い会話や現代的な場面なら、"The stars are lovely, aren't they?"や"Pretty stars, aren't they?"のように自然な会話英語で訳して、読者に含みを汲ませる余地を残すこともあり得る。最終的には、どれだけ読者に含みを伝えたいかで決めるべきだと考えている。
場面によって選ぶ英語表現がかなり変わることに気づいた経験が何度もある。
名刺を差し出されたり、表彰を受けたりするときの『恐れ多い』は、敬意と謙遜を同時に表す微妙な言葉だと感じる。私はこういう場合にはまず「I'm honored」を基本形として考える。相手の評価や機会に対して感謝と重みを伝える簡潔なフレーズで、スピーチやメールの冒頭に使いやすい。「I’m honored to accept this award.(この賞を受けることを光栄に思います)」のように続けるのが自然だ。
もう一つ使いやすいのは「I’m humbled」という表現で、こちらは自分の立場の小ささや責任の重さを示したいときに適している。私は受賞や大きな期待を前にして、自分がまだ学ぶべきことが多いというニュアンスを出したいときにこれを選ぶことが多い。注意点としては、カジュアルな場面で多用するとくどく聞こえることがあるので、正式な場や文章での使用が無難だ。
日常会話での軽い「恐れ多い」感は「It is an honor to...」と少しフォーマル寄りに言い換えるときれいに収まる。翻訳するときは単に語彙を置き換えるのではなく、文脈(相手との関係性、場のフォーマリティ、話し手の謙虚さの度合い)を見て「I'm honored」「I'm humbled」「It is an honor」のどれが最も自然かを判断している。自分なりの使い分けを持っておくと安心感が出ると思う。
語感の違いを念頭に置くと、ざっくばらんの英訳は単に一語で済ませられないことが多いです。僕は会話で「ざっくばらんに言えば」と出てきたら、まず場面と話者のキャラクターを見ます。カジュアルで親しい相手なら "be frank" や "to be frank" が自然ですが、これだけだとややフォーマル寄りに響くこともあります。
一方で軽やかな雑談の雰囲気を残したいときは "to be candid" や "let me be candid"、あるいは "to put it plainly" などが使えます。僕が訳した小説の一節では、語り手のラフさを保つために "honestly" を選び、結果的に原文の肩の力を抜いた調子を保てました。翻訳では語彙の直接対応よりも、発話のトーンと受け手の期待を優先することが多いと感じています。