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いくつかの段階で丁寧に照らし合わせるのが近道だと思っている。
まず画像そのものを見比べる。コマ割り、ふきだしの位置、背景の切り取り方、トーンの貼り替え具合に違いがあるかをチェックする。翻訳版で吹き出しが編集されていると、セリフの順序や強弱が変わって受け取り方がずれることが多いから、ここは見落とさないようにしている。
次に文字情報。翻訳注や訳者ノートが付いているか、擬音(効果音)の処理がどうされているかを確認する。紙面の余白やコマ間の余白が詰められていると、削除やトリミングが疑われるし、逆に余裕があると再編集の痕跡が見える。メタデータ(ファイル名や作者クレジット)も念のため比べると、どちらが原版に近いか判断しやすい。
最終的に、疑問点があればOCRで原文を抽出して翻訳と照合するか、別訳と突き合わせて訳語の選択や語調の差を確認する。こうして読み比べると、どの程度忠実なのか、意訳や削除がどこで起きているのかがだんだん見えてくるよ。
チェックリスト的にパッと見て違いを掴みたいときは、次の順で確認している。まずページ順とコマの欠落、次に吹き出しの順序や位置、そして擬音語の処理と訳注の有無。画質やトリミング、再構成の跡も忘れずに見る。
『ワンピース』のスキャン比較をした時は、効果音が別レイヤーで差し替えられている箇所を見つけて、そこから大きな改変が行われていることに気づいた。僕は細かいところをひとつずつ潰していく方法が合っていると感じる。最終的には自分が読みたい情報が残っているかで判断しているよ。
比較検証の前に背景を集めておくと手戻りが少ない。私がよくやるのは、まずどの版が公式か非公式かを判別することだ。公式翻訳は出版社のクレジットやISBN、配信プラットフォームの情報で識別できるし、非公式(ファン翻訳)は翻訳グループの署名やリリースノートを手がかりにできる。
その上で、台詞のニュアンスと語彙選択の差に注目する。例えば固有名詞の翻記、敬語・タメ口の使い分け、ジョークや言葉遊びの処理方法は翻訳者ごとに大きく変わる。具体例として、'スパイファミリー'のローカライズでは会話のユーモアを優先して意訳された箇所があり、その処理を参考にすると『ダブルプレイ』でもどこまで意訳が入っているか判断しやすい。私の場合、原文の意味を一旦逐語的に書き出し、翻訳版の表現と対比して意訳か直訳かを判定する作業を好む。これにより翻訳者の“声”や作品への接し方が見えてくる。
加えて、誤訳や省略を検出するには逐語比較ツールやバイリンガルの第三者チェックが役立つ。複数人で見れば見落としが減るし、最終的にはどの版が原作の雰囲気を最も保っているか判断しやすくなると私は考えている。
テクニカルな手段を使うのも効果的だと感じる。私はまずファイルのメタデータとサイズを比較してバージョン差を確認する。ページ数の差や画像解像度の違い、トリミングの有無は一目でわかるし、ファイル名やタイムスタンプも手がかりになることが多い。
画像レベルでは、OCR(光学文字認識)で吹き出しのテキストを抽出し、テキスト比較ツールで差分を取ると効率的だ。生の画像と翻訳画像で文字列比較をすれば、どのセリフが書き換えられたか、どのSFXが翻訳されているかが明確になる。さらに、ピクセル比較ツールを使えばコマの切り取りやモザイク、未翻訳の部分を視覚的に検出できる。過去に私が試した方法では、ハッシュ比較で完全に別物になっているページを見つけ、さらに詳細に確認したら一部のコマが削除されていたことが分かった。
最後に、版ごとの注記や翻訳メモも見逃さないこと。公式版なら校正記録や版元の註があるし、ファン翻訳ならリリースノートに変更点が書かれていることがある。こうした技術と資料の組み合わせで、Raw版と翻訳版の差をかなり厳密に確認できると私は思っている。
ページを並べて視覚的に比較するのがいちばん発見が多いと感じる。私はまずRaw版(画像そのままのもの)と翻訳版を同じ順序で並べ、コマ送りのようにページ単位で照合する。セリフの配置が変わっていないか、吹き出しの順番や読み順が自然かどうかをチェックするだけで、翻訳の意図や編集の有無がかなり見えてくる。
具体的には、セリフ本文とSFX(効果音)の扱いを重点的に比べる。Rawでは絵に直書きのSFXが、そのまま残っているか、あるいは翻訳で上書き・消去されているかを確かめると、翻訳方針(直訳寄りか意訳寄りか、文化的意訳をどこまで行ったか)がわかる。さらにページ数やトリミングの違い、モノクロ濃度の差、パネルの削除・追加といった物理的な変更も見逃さない。私が過去にチェックしたときは、セリフは忠実でも一部のコマが丸ごと削られていたことがあったから、テキストだけでなく画像全体を比較するのが重要だ。
最後に、翻訳者やグループの注釈が存在するかも確認する。公式翻訳なら訳注や註釈が付くことが多く、ファン翻訳は注記で翻訳方針を説明しているケースがある。こうした情報を合わせて見ると、『ダブルプレイ』のRaw版と翻訳版の差異をより正確に把握できるよ。
異なる言語間の微妙な差を重視するなら、注釈の有無と用語統一を優先して見ると良い。『涼宮ハルヒの憂鬱』のある版を比べたとき、敬語の扱いと固有名詞の訳し方でキャラクター性がかなり変わったことがあった。僕は会話の細かいニュアンス、例えば感嘆詞や語尾の弱さまで気にする。
訳注が丁寧なら意図的な意訳や文化ギャップの埋め方が分かるし、用語集が付いていればシリーズ通しての訳の一貫性も確認できる。逆に注が全くない場合は省略や簡略化が隠れているかもしれないので注意が必要だ。こうした点に注目すると、訳版がどのような方針で作られたかが透けて見えるよ。
手元に原文と訳を並べて読み進めると、すぐに雰囲気の違いが分かることが多いよ。まずはセリフのトーンを比べる。例えば『ジョジョの奇妙な冒険』みたいにセリフ回しが独特な作品だと、訳し方ひとつでキャラクターの印象が大きく変わる。僕は口語的か文語的か、敬語の度合い、命令形や感嘆の強さを意識して比べる。
次に細部。擬音語がそのまま残されているか、訳注で説明されているかで翻訳方針が見える。省略や改変が疑われる場面では、コマの順序やパネルの省略がないか、トリミングで情報が削られていないかもチェックする。訳者注がついている場合は、意訳の理由が書かれていることがあるから、そこも読むと納得しやすい。
最後に読みやすさと整合性。用語や固有名詞のブレ、前後の文脈との整合が取れているかを見ることで、単なる機械訳や手早い意訳かどうかが判断できる。自分の読み心地を基準にするのが一番信用できる指標だと感じているよ。
比較作業はツールを使うと効率が格段に上がる。画像差分ツールやZIP解凍で中身を見られると、どのファイルが置き換えられているかが分かりやすい。『鋼の錬金術師』の同人訳をチェックしたときは、CBZを解凍してページ画像を並べ、ピクセル単位で差分を取ったら改変箇所が鮮明に出た。
加えてハッシュ(MD5やSHA1)やファイルサイズ、解像度を比較すると、同じページでもリサイズや再圧縮による劣化が分かる。僕はOCRをかけて文字列比較もする。原文の表記と翻訳の対応を機械的に突き合わせると、意訳・省略・誤訳が数字で見えてくるのが面白い。
最後に、訳者やグループのリリースノート、訳注、用語集の有無を確認すれば翻訳方針が読み取れる。技術面と翻訳方針の両方を押さえると、どちらが“忠実”に近いかを論理的に判断できるようになる。