映画好きの間で話題に上ることが多い一本が、'The King of Staten Island'だ。主人公のふらふらとした日常や喪失感が、コメディのテンポで描かれているところに僕は強く惹かれた。笑いと痛みが同居する演出で、ニート的な無為さが単なる怠惰ではなく感情の表出だと示してくるのが巧いと思う。
演じる者の素朴さや身振りがリアルで、継続的な変化を匂わせる終わり方も好感が持てる。個人的には、主人公が少しずつ他者と向き合う場面が刺さった。観終わった後に妙な温かさと希望を残す、そんな作品だと感じている。