SNSのタイムラインを追っていると、エミリア派とレム派の議論が延々と続いているのが見えてくる。僕の見立てでは、まず公式の“決着”はないという点をはっきりさせたい。『
re:ゼロから始める異世界生活』で最も決定的なのは、シーズン1のレムの告白とそれに対するスバルの応答だ。レムは全力で自分の気持ちをぶつけ、スバルはその正直さを受け止めながらも、当時の自分の想いはエミリアにあると答える。あの場面は物語の中で明確に描かれた“選択の瞬間”で、感情的な勝負に一応の区切りをつけた。
ただし、感情の重みがすべて数字や公式の一行で測れるわけではない。レムの
献身やその後の関係性はファンの心に強く残り続けるし、それが
派閥対立を終わらせない大きな理由でもある。公式が後の物語でどこまで踏み込むか次第で印象は変わるが、現状では物語構造上エミリアがメインヒロインとしての位置を占めているというのが事実だ。
結論めいた言い方をすると、作品内の“出来事”としてはエミリア寄りの描写が多く、ファンダム内の感情的支持ではレムが非常に強い。両方の見方に合理性があるからこそ議論は続くし、最終的な“決着”は作者の一言か未来の展開でしか付けられない。個人的には、どちらの感情も作品の深さを支える重要な要素だと考えている。