イタリアには『罵倒は敗者のパン』という辛辣な表現があります。これはサッカーのダービーマッチで負けたチームのサポーターが相手を罵倒する光景から生まれたと言われ、悔しさを罵声で
紛らわせる心理を的確に捉えています。
『アラビアンナイト』に出てくる「ライオンの皮を被ったロバ」の寓話も関連がありますね。弱い者が強いふりをしてもすぐに正体が
ばれるという教訓で、古代ペルシャで生まれた話が世界中に広まったものです。
面白いところでは、ロシアの「キツネがライオンに教えを請う」という民話から来た表現もあります。力のない者が知恵で対抗しようとするも結局失敗するという話で、現代ビジネスシーンでも実力不足の人間が偉そうに振る舞う様を揶揄するのに使われます。