馬面のモデルとなった伝説や神話は、中国の豊かな民間信仰に深く根ざしていますね。特に『地獄十王』の思想と結びついた牛頭馬面は、冥界の獄卒としてよく知られています。
中国の道教や仏教の影響を受けたこの存在は、亡者の魂を裁く閻魔大王に
仕える役割を担っています。牛頭が牛の頭を持つ一方で、馬面は馬の顔をしているのが特徴的で、その不気味な外見は生前の罪を悔い改めさせるための威圧感として機能していたのでしょう。
興味深いのは、このモチーフが時代を超えて様々なメディアで再解釈されている点です。例えば『封神演義』のような古典文学から現代の漫画『鬼滅の刃』に至るまで、異なる形で表現されています。特にゲーム『原神』の璃月地方には、こうした伝承をモチーフにしたキャラクターが登場しますね。
東アジア全域に広がるこのモチーフは、単なる恐怖の象徴ではなく、道徳的教訓や死生観を反映した文化的アイコンとしての側面を持っています。