高遠 そばを東京で本格的に味わえる店はどこですか？

都内で本格的な高遠そばを探すなら、地域のアンテナショップや催事をチェックするのが近道だと感じている。私自身、出張や買い物で銀座に立ち寄るたびに、長野県の情報発信拠点である『銀座NAGANO』をのぞいている。ここでは時折、長野の郷土料理や加工品の試食・販売が行われ、高遠そばに由来するそば粉や伴う薬味を見かけることがあるからだ。

東京の常設店で高遠そばを看板にしているところは少ないので、百貨店の全国うまいもの大会や地方物産展を狙うのが実用的だ。出店する蕎麦店は地元持ち込みのそば粉や製法を紹介することが多く、実際に高遠出身の職人が来て打つこともある。私の場合、そうした催事で食べた一杯から、高遠特有の素材感や薬味の使い方を覚え、それを基準に常設店を当たるようになった。

結論めいた話になるが、まずは『銀座NAGANO』や百貨店の地方催事情報をチェックしてみてほしい。そこで好みの風味に出会えたら、その出店者や生産者の名前を控えて、常設の店舗や予約可能な実演イベントを追いかけると、本当に納得できる高遠そばにたどり着けるはずだ。

探し回って見つけた実体験をもとに言うと、東京で“高遠そば”として明確に打ち出している常設店は多くない。そこで私は、まず江戸風の老舗に足を運んで基準を作り、その上で信州系の店を探すようにしている。たとえば江戸を代表する老舗で蕎麦の打ち手やつゆの基礎を学んでおくと、地域色のある高遠風の違いがわかりやすいからだ。

具体的には、都内にある歴史ある蕎麦屋で麺のコシや香り、つゆの塩梅を体験してから、長野ゆかりの職人が営む小さな店や、地方からの移住者が出した店を探す。私が実際に訪ね歩いた中では、神楽坂や浅草、吉祥寺などの飲食密集地に、長野方面にルーツを持つ店がちらほら見つかった。そこでは季節ごとに長野産のそば粉を使った限定メニューを出すことがあり、事前にSNSでお知らせする店が多い印象だ。

もし一回で本格を味わいたければ、事前に店主の出身や使うそば粉を確認するのが近道だ。私はそうやって当たりをつけ、特に長野直送の粉を使う店の蕎麦で、高遠に近い素朴な味わいに出会えたことが何度かある。

都内で本格的な高遠そばを楽しむ方法をもう一つの視点で紹介したい。まずは地元出身者や郷土料理を掲げる店をリストアップし、実際に足を運んで話を聞くのが確実だと感じている。僕は店主との短い会話から、使用しているそば粉の産地や打ち方、薬味の出し方を聞き出し、そこから“高遠に近い”か否かを判断している。

見分け方としては、メニュー表で『信州』『長野』と明示されているか、そば粉の品種や生産地が記載されているかに注目する。加えて、店が地元産の薬味や味付けを大切にしているかどうかも重要で、そういう店は高遠の食文化に沿った提供をしてくれる可能性が高い。私はこれを繰り返して、都内でも納得できる一杯に出会えた。

最終的に、やはり実際に食べてみることが一番だ。見つけた店で一杯味わって、自分の舌が納得するかどうかを基準にすれば、東京でも本格的な高遠そばを楽しめることを伝えたい。