『鬼滅の刃』の煉獄杏寿郎と猗窩座を題材にした幽霊モチーフの悲恋ファンフィクション、特に悔恨をテーマにした作品はAO3でいくつか見かけました。『Flames of Remembrance』は、煉獄が幽霊として現世に残り、猗窩座と過去の因縁を清算する物語です。二人の闘いの背景にあった無言の理解と、果たせなかった対話が胸を締め付けます。煉獄の陽気さと猗窩座の孤独が対照的に描かれ、死後も解けぬ思いが伝わってくるんです。
煉獄と猗窩座の幽霊ものなら、『Ghost of You』がおすすめ。猗窩座が煉獄の幻影に悩まされる話で、彼の「強さ」への執着が逆に弱さを浮き彫りにします。煉獄のセリフ「お前の拳は、誰を護るのか」が何度もリフレインされ、読後も余韻が残る。『鬼滅の刃』の公式設定を巧みに使いつつ、もし二人が出会い直せたら…という仮定が切ない。戦闘シーンの再現よりも、静かなる心の交流に重点を置いた作品です。
最近読んだ'進撃の巨人'のファンフィクションで、リヴァイとエルヴィンの関係を幽霊(yūrei)のモチーフで描いた'Ghost of You'が強く印象に残っている。戦友の死を乗り越えられないリヴァイの後悔が、エルヴィンの幻影を通じて表現されていて、特に壁外調査の描写が現実と幻想の境界を曖昧にしていく。作者は戦闘シーンよりも心理描写に重点を置き、リヴァイがエルヴィンの意思を継ぐ過程を繊細に描いている。未練が残る亡霊というテーマが、原作の重いテーマと見事に重なっていた。
もう一つ、'Ashes'という作品もおすすめだ。こちらはエルヴィンがリヴァイの夢に現れる設定で、指揮官としての責任と個人としての感情の狭間で苦悩する様子が痛切に表現されている。特に、リヴァイがエルヴィンの形見の羽根を握りしめるシーンから、戦友への未練と訣別が同時に描かれる展開が秀逸だった。