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まっど↑きみはる
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Novels by まっど↑きみはる

別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

「我が宿敵!! あなたに、私の夫となる権利をあげるわ!!」  一人の女が赤面しながら男を指差し言う。  そう、王国騎士『マルクエン・クライス』は、敵対していた魔剣士の女『ラミッタ・ピラ』にプロポーズを受けのだ。
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Chapter: 乾杯しておこう
「まだホテルに戻るには早いか?」「そうかしら? 私は帰って休みたいけど」 ラミッタは腕を上にあげて背伸びをし、あくびが出ていた。「そうか? それじゃ戻って休むか」 二人はホテルに戻ろうと、もと来た道を歩く。 ロビーに入ると、剣士のゴーダが一人椅子に座っていた。 二人に気が付くと、立ち上がって急ぎ足でやって来る。「マルクエンさん、ラミッタさん!! ご無事でしたか!?」「えっ?」 キョトンとするマルクエン。「外で魔人の襲撃があったと聞き、探していました」「あっ、あぁ!! それはご心配おかけしました。ですが、この通り無事です」「そうですか」 ゴーダはふぅっとため息を吐く。「私達、魔人に襲われすぎて慣れちゃったけど、普通に考えたら|大事《おおごと》よね」「確かにそうだな……」「その通りです」 もっと何か言いたげなゴーダだったが、短い言葉で済ます。「すみません。本当はマスカルさん達に伝えた方が良かったのでしょうが、居場所が分からなくて……」「それはこちらの落ち度です。私とアレラはギルドに、マスカル様は城に居ました」「あら、意外と近くに居たのですね」 ラミッタが言うとゴーダは頷く。「はい。受付のスタッフから話を聞き、すぐに飛び出たのですが、お二人が居なかったものでして……」「それはもう……。申し訳ない。昼を食べに行ってしまいました」 マルクエンはバツが悪そうに頭をかいた。「魔人と戦った後に……。流石というか、なんと言いますか」 ゴーダは少し笑っていた。彼が笑う所を見るのは滅多にない。「ともかく、魔人が近くまで来ているのでしたら、お二人だけで外を歩かせるわけにはいきません。アムールトの中で待機して頂きます」「えぇ、そうですね」 マルクエンは頷く。「私も疲れたので、大人しく休んでいますよ」 ラミッタも眠たげにしながら同意した。「それでは、私はギルドでまだ仕事がありますので」 ゴーダはホテルを出ていく。「そう言えば、このホテル。バーもあったわよね?」「そうか?」「私は寝酒でもするわ。付き合いなさい宿敵」「そうは言っても、私は酒を飲めんぞ」 マルクエンが言うと、ラミッタは笑う。「そんなの知ってるわよ。私はお酒。おこちゃまはホットミルクよ」「ホットミルクか……。確かにアリだな!」 皮肉が効いていなくてラミ
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-03-12
Chapter: しんみりと
 マルクエンは夢中でパクパクとパフェを食べ進めていた。「私の国でも氷魔法を使用したアイスクリームはあったが、これはまた別格に美味いな」「ルーサのアイスはもっと美味しいわよ」 ラミッタが言うと、マルクエンは興味津々だ。「ルーサのアイスか。食べてみたいものだな」「無理に決まっているじゃない、戦争中よ?」 この二人はイーヌ王国とルーサが終戦したことを知らない。「あぁ、そうかもしれんが……」 攻撃を仕掛けたのはイーヌ王国だ。マルクエンは思わず俯く。「……まぁ、今の私達には関係ないことよ」「ラミッタ。私達が死んだ後、戦争はどうなったと思う?」「ちょっ、誰かに聞かれたらどうすんのよ!!」 今更になってラミッタは会話を誰かに聞かれていないかと焦るが、賑やかな店内では誰もこの会話を聞いていないみたいだ。「あっ、あぁ、すまない」「戦争なんていつかは終わるわ」「そうだな。そうだと……良いな」 あからさまにテンションが下がるマルクエン。「もう、せっかく美味しく食べていたのに。|台無《だいな》しよ」「いや、すまん……」「……、私も話題にしたから悪かったわ」 気まずい空気が流れ、黙々とパフェを食べる二人。「お客さーん。お味の方はいかがですかにゃ? って、何か元気なさそうだにゃ! 美味しくなかったのかにゃ!?」 やって来た猫のウェイトレスが、しんみりとする二人を見て慌てていた。「いえ、料理は美味しかったです。ちょっと昔のいざこざを思い出してしまいまして……」「ありゃ、そうだったのですかにゃ。まぁ、美味しいパフェ食べて忘れてほしいですにゃ」「えぇ、そうですね」 マルクエンは笑ってそう返す。ウェイトレスも安心したようで別の客の所へと向かっていった。 食べ終えた二人は席で会計をして店を後にする。「またのお越しをお待ちしていますにゃー」 またも、目的もなく街を歩く二人。少し気まずさがあるが、お互い気持ちを切り替えようとしている。 そんな時、マルクエンはある提案をした。「そうだラミッタ! 服でも買わないか?」 突拍子もない言葉にラミッタは一瞬理解が追いつかない。「は? 服?」 聞き返すと、マルクエンは「あぁ」と言った。「ほら、前に買った青いワンピースは火事で燃えてしまっただろ? また、改まった場で着る服があると良いんじゃないかって…
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-03-11
Chapter: 客引き
「やはり、空を飛ぶのは疲れるのか?」「そこそこね、常に早歩きしているぐらいの感覚よ」「そんなもんなのか」 そんな会話をしていると、マルクエンが声を掛けられた。「そこのお兄さん!! 美味しいパスタとデザートのお店はいかがですか?」 声の主は猫耳の小柄な亜人だ。「えっ、私ですか?」「そうです、お兄さんと彼女さんですにゃ!!」 ラミッタは自分を彼女扱いされたことに赤面し、プンプンと怒り出した。「私がこんな奴の彼女!? ないない、ありえないから」「あら、そうだったのですか? これは失礼。仲が良さそうなのでてっきり」「はぁー? どこをどう見たら仲良く見えるのよ!!」「まぁまぁ、ウチのお店どうですか? 美味しいパスタとデザートのお店です!」 パスタと言われマルクエンは、ふむと考える。「良いんじゃないのか? ちょうどパスタにしようかと話していたんです」「それは奇遇! なんとも奇遇!! 是非ぜひ当店へ!」 彼女と勘違いされたラミッタはむくれて渋々だったが、二人は店に入ることにした。 ファンシーでにぎやかな店内を見て、マルクエンは防具をギルドに預けておいて良かったなと思う。「二名様ご案内ですにゃー!!」 席に通され、メニューを見る。様々な種類のパスタがあり、マルクエンは悩む。「うーん。どれにしようか」「早く決めなさいよ」「ラミッタはもう決まっているのか?」「私はイカスミパスタがあるから、これにするわ」 イカスミと聞いてマルクエンは驚く。「イカ? イカって触手がもじゃもじゃのあの?」「それしかないでしょう」 ラミッタは呆れ顔で返す。「確かイカのスミってインクに使うんじゃ無かったか? 食べられるのか!?」「食べられるわよ……」 そうなのかと不思議そうな顔をするマルクエン。「食べてみたら?」「い、いや、私はカニのクリームパスタにする。大盛りも出来るみたいだな」「そう。デザートはどうするの?」 そう言えばデザートもオススメだったなと思い。メニュー裏面のデザートを見る。 イチオシは写し絵がでかでかと載っている『いちごパフェ』だ。「私はこのパフェを頼む」「私もデザートはそれでいいわ」 早速、マルクエンは近くに居た店員に注文をし、一息つく。「お客様、失礼します」 ウェイトレスが紅茶を持ってきたので、マルクエンはキョト
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-03-04
Chapter: 斬撃
 勢いを付けたことにより、倍ぐらいの速度で飛ぶことが出来たラミッタ。 火炎を打ち出しながら、それと同時にミネスへ突っ込む。「追いかけっこでもしようか?」 敵はあえてラミッタの直線上を飛び続ける。 段々と速度が落ち、追いつけなくなるラミッタ。代わりに魔法を打ち出して追尾させた。「そんなもの当たらないよー」 ミネスは舌を出してあっかんべーと挑発を続ける。「ムカつくわね」 言葉ではそう言ったが、ラミッタは極めて冷静だ。「ねー、空も飛べるんだし、魔王軍に入ってよ! 今なら三食昼寝付きで、住む場所もあるし、福利厚生バッチリだよ?」「お断りするわ」 ラミッタは言葉と共に雷を放つ。 空では追いかけっこが始まっていたが、地上のマルクエンは次から次へと襲いかかってくる狼型の魔物と戦いを繰り広げていた。「うおおおおお!!!!」 また一匹、脳天に突きをお見舞いして絶命させる。「くそっ、きりが無いな……」 体力も気力もまだまだあったが、終わりの見えない戦いと上空のラミッタの身を案じて少し不安になるマルクエン。 その瞬間だった。マルクエンの体が青白く光る。「これは……!!!」 塔で授かった力だ。身は軽くなり、力が|漲《みなぎ》ってきた。 背後から飛びかかる狼型の魔物を裏拳で殴る。軽く十メートルは吹き飛んだ。「掛かってこい!!」 マルクエンは思い切り剣を振るう。その時起きた現象にマルクエンは言葉を失った。 刃の軌道をなぞるように、光が現れ、そのまま飛んでいく。 その光に触れた魔物は斬撃を食らったように切れてしまった。 光は貫通し、次々に直線上の魔物を斬り裂いていく。「な、なんだこれは!?」 考えたいが、押し寄せる魔物の群れがそれを許さない。 もう一度ありったけの力を込めて剣を振ると。またも光の刃が飛び出した。「これが試練の塔で授かった力とでも言うのか……」 マルクエンは自身を囲む魔物を見て、ふと思い付く。「何かよく分からんが、くらえ!!!」 マルクエンは剣を横に持ってぐるりと一回転する。 光の刃が円状に広がり、一気に魔物を駆逐していく。 チラリとその様子を見ていたラミッタは驚いていた。「何あれ!? あんな事出来るの宿敵は!?」「よそ見しないでー。でもボクもビックリだよ!」 ミネスは腕を組んでうんうんと頷く。 そんなミ
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-03-01
Chapter: お試しのクエスト
 マルクエンは剣を構えて精霊に突進した。そのまま縦に振り下ろすと、軽々と一刀両断される。 次の精霊も、剣で薙ぎ払い。観衆からは「おぉー」っと感心の声が上がった。「宿敵、そろそろ交代しなさい」 夢中で精霊を倒し続けていたマルクエンをラミッタが制止する。「あっ、あぁ、すまんな」 マルクエンがハハハと照れ笑いをしながら戻ってきた。「それじゃ、私も行きますか」 ラミッタも背中の剣を引き抜いて、まずはブンブンと振り回してみる。 ヒュンヒュンと風を切る音がして、剣は意のままに動いてくれた。初めて握るのに、手にしっくりと馴染む。 次に、丸太に向かって走り、空中で横に一回転し、勢いを付けて叩き斬る。 スパッと斬られ飛んでゆく丸太。そのままの勢いで精霊とも対峙した。 加速の魔法を使い、目にも留まらぬ速さで精霊を斬り捨てていく。「よし、私はこんなもんで良いわ」 ラミッタは髪をなびかせながらスタスタと歩いてくる。「お二人共、剣の具合はいかがでしたか?」 勇者マスカルに聞かれ、マルクエンは答えた。「えぇ、とても良い剣です。切れ味も申し分ないし、重さもちょうど良い」 ラミッタも片目を閉じて言う。「まぁまぁ、良いとは思います」 そんな二人の回答を得て、マスカルは頷いた。「それでは。王との面会まで、ご自由に肩慣らしをして頂いて結構です。ギルドのクエストも自由に受けて結構ですよ」「わかりました」「では、私達は書類仕事がありますので」 アレラの言葉通り、マスカル達は近況報告を国にしなくてはいけない。 ここでマルクエンとラミッタはマスカル達と別行動を取ることになり、ギルドのクエスト募集ボードを見た。「何か魔物の討伐でもあれば良いんだけど」 剣を振るいたくてウズウズしている二人はそんな募集を探していた。「あ、これなんてどうだ?」 犬型の魔物が群れでいるので、その討伐といった内容だ。「まぁ、いいんじゃない?」「よし、決まりだな!」 マルクエンはウキウキでその依頼書をギルドの受付へ持って行く。「ここでいいのか?」 二人は犬型の魔物を倒すため、渡された地図に載っていた地点までやって来た。「えぇ、いいはずよ。それじゃ魔物寄せの魔法を使うわ」 そう言ってラミッタは手を空にかざし、何かを唱える。 しばらくすると、辺り一帯の魔物が押し寄せてきた
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-02-27
Chapter: アムールトへ!
 そして、三日目。ようやく王都アムールトが見えてきた。「ようやく見えましたね」 ゴーダの言葉に馬車から身を乗り出してマルクエンは外を見る。「おぉ……」 城壁で囲まれた街からは、所々高い建物が見える。ライオ以上に大きな街にマルクエンは思わず圧倒されて言葉が出なかった。 段々と王都へ近付くと、人通りも多くなってくる。 門の前では人々が身分証の提示を求められたり、荷物の検査等を受けていた。 しばらく待っていると、マルクエン達の番が来る。全員荷台から降り、マスカルが身分証を提示しながら言った。「お疲れ様です」 衛兵は差し出された紙を見て目を丸くする。「ゆ、勇者マスカル殿!? はっ、お努めお疲れ様です!!」 勇者マスカルの名を聞いて周りも少しざわめく。人々の注目も|余所《よそ》に、マスカル達は王都の中へと消えていった。 大きな建物が立ち並ぶが、その奥に一際立派な物がある。あれが城だろう。「それでは、しばらくは街で泊まり、王との謁見の許可が降りたらお会いして頂きます」「わかりました」 馬車を預け、マスカルの後を付いていくと、立派なホテルへ着いた。「こんな立派な場所に……」 マルクエンが考えを漏らすと、マスカルは笑う。「皆さんは私にしてみたら大事なお客人でもあります。安宿には泊めさせられませんよ」「そんな、お気を使われずに……」 エントランスに入ると、魔石できらびやかに装飾され、幻想的な雰囲気すら漂っていた。 王都で治安面の心配は無いだろうとのことで、部屋は各自1部屋。 1人部屋のはずなのだが、そこらの宿の3人部屋よりも大きい部屋で、何だかラミッタはソワソワしていた。 野宿をしていた時の料理も美味かったが、夕食のビュッフェには流石に勝てず。数日ぶりに手の込んだ料理を口にできた。 部屋の備え付けシャワーで汗を流して、マルクエンはふわっふわのベッドに寝転ぶ。 あっという間に眠ってしまい、朝になった。 朝のルームサービスは断り、食堂で皆に挨拶をして一緒に食事を摂る。「そうそう、マルクエンさん、ラミッタさん。ジャガの街から冒険者ギルドに届いたようですよー?」 アレラがニコニコと言うので、ついに来たかとマルクエンは思った。「我々もギルドに顔を出したいので、向かいますか?」 マスカルが言ってくれたので、マルクエンは言葉に甘えること
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-02-17
裏庭が裏ダンジョンでした

裏庭が裏ダンジョンでした

 結界で隔離されたど田舎に住んでいる『ムツヤ』。彼は裏庭の塔が裏ダンジョンだと知らずに子供の頃から遊び場にしていた。  裏ダンジョンで鍛えた力とチート級のアイテムと、アホのムツヤは夢を見て外の世界へと飛び立つが、早速オークに捕らえられてしまう。  そこで知る憧れの世界の厳しくも残酷な現実とは……?
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Chapter: 蜘蛛と男 4
 それからしばらくして、ノエウとナリアの前に男が1人現れた。ノエウは警戒してナリアの前に立つ。「こんにちはー。そう怪しいものじゃ無いので警戒しないで下さいよー」「だ、だ、誰だお前!!」「いえいえ、僕はあなたを助けに来ました」 薄っぺらい笑みを浮かべて男は言った。「助ける?」「えぇ、これからそちらのお嬢さんを殺しに来る悪いやつが来ます」 男がナリアに手を向けたので、ノエウはナリアの事を言っているのだと理解する。「ほ、ほ、ほんとか?」「えぇ、そこであなたにはこの武器を差し上げます」 そう言って男は棍棒をノエウに手渡す。「これさえあれば誰にも負けません、そちらのお嬢さんを守ってあげてくださいね。それでは失礼」 男は風のように去っていった。そして同時にぞろぞろと人間が出てきた。「おい、そこのお前!! アラクネから離れろ!!」 ムツヤ達はめちゃくちゃに振り回される男の棍棒に手を出せずにいた。「おい、お前はキエーウの一員なのか?」 アシノが疑問に思っていた事を口にする。裏の道具は持っているが、キエーウの仮面は被っていないし、アラクネと一緒にいる事も疑問だ。「な、何いってんだ、キエーウってなんだ?」 男がしらばっくれている様には見えなかった。 だとすると、やはりキエーウに利用されていて、なおかつ、村長が言っていたアラクネに化かされている人間の可能性が高い。「全員、男を殺さないように戦うぞ。アイツは利用されているだけかもしれない。まずはアラクネからだ!!」 全員返事をしてアラクネを集中的に狙うが、男が前に立ちはだかりアラクネを庇う。 ルーとユモトは遠距離の魔法を打ったが棍棒の一振りで突風が起きてすべて弾き飛ばされた。「何あれ!? 反則じゃない!?」 まずいなとアシノは思う。相手がどんどん強くなっていく。 魔剣ムゲンジゴクを扱いきれずに飲み込まれて消滅した男のことを思い出す。 男を殺してしまうのならば簡単だが、武器を取り上げるのはその数倍難しくなる。「作戦を変える、みんな一斉に男を狙うぞ!! ただし、殺すな、武器を取り上げるぞ!!」 アシノが言うと、最初に仕掛けたヨーリィだった。木の杭を投げて牽制をし、男は棍棒を振り回した風圧でそれを弾き飛ばす。 その風に紛れてヨーリィは男の右腕に蹴りを入れたが、体重の軽いヨーリィのそれはあ
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-03-12
Chapter: 蜘蛛と男 3
 まだ朝日が登るか登らないかの時間にムツヤの連絡石から声がした。「ムツヤくん、ムツヤくん、起きてくれ」 目を覚ましたのはムツヤではなく、魔力をもらうために手を握って一緒に寝ているヨーリィだった。 ヨーリィはムツヤの頬を軽くペチペチと叩いて起こす。「うーん? おはようヨーリィ」「起きたかムツヤくん」「あぁ、ギルスさん。おはようございます」「朝早くにすまないね、探知盤に反応があったんだ。北西の方角から裏の道具持ちが近づいてきている」 裏の道具という言葉を聞いてムツヤは一気に目が覚めた。「わがりました、すぐに皆と行きます!」 ムツヤは皆を起こして周り、事情を説明する。「まったく、朝っぱらからキエーウの奴らもご苦労なことだね」 宿屋の外に出るとアシノがぼやいた。ひんやりとした朝の空気が心地よい。「北西って言うとあの山の辺り? 私もう山登りしたくなーい!!」 ルーは駄々をこねるがアシノに襟首を掴まれて連れて行かれる。 探知盤をルーが持ち後衛に。前衛はモモとユモトだ、裏の道具持ちに合うまでは2人の訓練も行う。 襲いかかる魔物をモモは切り裂き、ユモトは氷の魔法で貫き、雷で黒焦げにする。 そんな調子で戦いながら進むと探知盤で分かる裏の道具の場所付近までムツヤ達はたどり着いていた。 ムツヤは探知魔法で周辺に人の気配が無いか調べていた。するとある事に気づいてルーに告げる。「探知盤の裏の道具の場所に2人居ます」「まずいな、裏の道具持ちふたりを相手に戦うのか」 アシノは少し不安そうに言った。「まぁまぁ、大丈夫よ。こっちにはムツヤっちもいるしー」「そうだな……、悩んでいても仕方ない、ゆっくり近づくぞ」 前衛をムツヤとヨーリィに任せて一行は歩き始めた。 ムツヤなら不意打ちにも対応できるし、ヨーリィは1度ぐらい致命傷を負っても枯れ葉から再生ができるからだ。「そろそろね」 ルーがそう言ったその時だった。少し開けた場所に居たのは、クモの体を持ち、上半身が人間の。 アラクネだった。「なっ、どうしてアラクネがここに!?」 アシノは目を疑った。裏の道具持ちだけでも厄介なのにアラクネまで一緒に鉢合わせするとは思わなかった。「ど、どうしますか?」 ユモトは慌ててアシノに聞いた。アシノは急いで頭を回転させて何か策を考える。「ひとまず様子を見るぞ
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-03-11
Chapter: 蜘蛛と男 2
「おぉ、流石は勇者アシノ様です!!」 村長は喜び、案内をした男はホッとした顔をする。「では、今日は宿屋に泊まった後に明日から捜索を開始します」「えぇ、よろしくお願いします」 話がまとまり、ムツヤ達は村長の家を後にした。宿屋までの道中やたら人に見られた気がするが、皆アシノが目当てだろう。「お疲れ様、勇者アシノ様」「だからそう言うのやめろ」 宿屋のベッドに座りルーは意地悪っぽくアシノに言う。 ムツヤ達は片方の部屋に集まり、話をしていた。「でもどうして依頼を受けるつもりになったのよー、確かにアラクネは珍しいから見てみたいけどさー」「あの、アラクネって何ですか?」 ムツヤが言うとヨーリィ以外全員ぽかんとした顔をしたが、知らないのも無理はないと説明を始める。「アラクネって言うのはですね、上半身が女性で下半身が蜘蛛の魔物です」 ユモトが言うとルーはムツヤに質問をする。「ムツヤっちの裏ダンジョンにはそういうモンスター居なかったの?」「えぇ、見たこと無いですね」 ルーは「ふーん」と言った後に宙を見つめていた。「あの、女性ってことは人の形をしているって事ですよね? そのアラクネって亜人さんとは違うのですか?」「あー、そこから説明しないとダメか」 やれやれとアシノは頭をかいた後にムツヤに説明をしてやる。「亜人の定義ってのは、まぁ法律で決まっていて色々あるんだが。知性があるかどうか。会話が出来るとか、理性があるかとかだな」 ムツヤはあれっと思い質問をした。「って言う事は『迷い木の怪物』のマヨイギさんって亜人じゃないんですか?」「あー……」 そう言えばコイツ等は会話の出来る魔物、迷い木の怪物を知っていたんだなとアシノは思い出す。「後は……人間と他の亜人に悪意や害をもたらさないかだな。迷い木の怪物は本来ならば好戦的で、会話も何百年と生きている奴しか出来ないんだ。お前達が出会ったのは異例だったんだな」「でも、それだったらマヨイギさんはやっぱり亜人って事になるんじゃ……」「その辺の文句は国に言ってくれ、私は知らん!」 アシノはムツヤへの説明を放り投げた。代わりにユモトが説明を始める。「アラクネは体の構造が人や亜人とかけ離れているんです。人の様に見える部分の頭に脳がありませんし、体も内臓はクモの方に集まっています。食べ物は人型の口の方から
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-03-04
Chapter: 蜘蛛と男 1
 ムツヤ達はまず、スーナの街を北から時計回りに石を埋めていく予定になっている。 調度いい距離に村があるので一行はそこまで向かうことにした。 道中、日が暮れてしまったのでそこで野営をする。 ムツヤの開くと家が出てくる魔術書を使えれば良いのだが、誰に見られるとも分からないので今回も粗末なテントで我慢をした。「あーあー、こちらギルス」 ムツヤの持っていた裏ダンジョンで取れる長距離用の話せる連絡石が光り、ギルスの声がした。「はい、ムツヤです」「よし、ムツヤくん。忘れないように青い石を地面に、なるべく深く埋めておいてくれ」「わかりました!」 連絡石をモモに預けてムツヤは地面に手を置く。 しばらく待った後に離すと、地面から噴水のように土が噴いて手のひらサイズの深い穴が出来る。「何その魔法!? 私にも教えて!!」 ルーがその様子を騒いで見ていた。「後で教えまずよ」 ムツヤはそう言いながら穴に青い石を落とした。 そうとう深いらしく、石の光は見えなくなる。吹き出した土でその穴を埋めて作業は終了だ。「オッケー、バッチリ探知盤には映ってるよ」「探知盤を見ないで良いのは助かりますよね」 ユモトが言うと、うんうんとムツヤとルーが頷く。 そして、次の日の昼には目的の村まで着いた。村と言っても冒険者ギルドの支部もあるし、宿屋も道具屋もある大きな村だ。 ムツヤ達はその村の冒険者ギルドへと向かう。「アサヒの村へようこそ! お客様この村のギルドは初めてですよね?」 入り口に立っていた受付嬢がムツヤやモモを見て話し始めたが、後から入ってきたアシノを見て目を丸くした。「えっ、まさか、その赤い髪と鎧…… 『赤髪の勇者アシノ』様ですか!?」「まぁ…… そうだな」 アシノは気まずそうに返事をした。「ど、どうしましょう。ちょっと支部長に」「いや、ちょっと寄っただけだから別にそこまでは……」「そういう訳にはいきません!!」 受付嬢は奥の部屋へと走り去っていく。それを見てルーはニヤニヤと笑う。「赤髪の勇者様は人気者ねー」「うるせぇ」 アシノは少し照れながらふてくされていた。 しばらくすると、受付嬢と共に中年の男がやって来た。「いやぁ、アシノ様とお連れの皆様。どうもお久しぶりです、冒険者ギルド、アサヒの支部長を務めさせて頂いています。ブーチョです」
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-03-01
Chapter: 旅立ちの前の日
 ゴラテは一瞬目を見開いた後に、ゆっくりと目を閉じた。そしてまた目を開く。「そうか……」 そう一言話した後に沈黙が流れるが、再びゴラテは話し始めた。「俺もお前ぐらいの年の頃は冒険者として旅をしていたからな、止める事は出来ねぇよ」 そう言ってゴラテはお茶をすすった。ユモトは父親に気持ちを伝える。「僕は、もっと色んなものを見てみたいんだ」「それは構わねえ、構わねぇんだが……」 少し間を置いてゴラテは話を続けた。「お前、赤髪の勇者とつるんでるんだろ。それに今日葬式があったギルスとも」 ユモトだけでなくムツヤとモモも血の気が一瞬引く。「なぁ、ユモト。お前何かヤバいことに首を突っ込んでるんじゃないのか?」 全員が沈黙したが、それは肯定を意味することになる。「俺はな、お前が死んじまうことだけが心配なんだ。お前が居なくなったら俺は……」 強い父親が腹を割って話している事にユモトは涙が出そうになった。だがユモトはちゃんと父を見て言った。「お父さん、今僕がしていることは…… ギルドの秘密でお父さんにも言えない…… でも終わったら全部話すから、今は僕を信じて欲しいんだ!!」 ユモトが言い終わるとふぅーっと息を吐いてゴラテは話す。「そうか…… お前のことだから間違っても悪い事をしていないのはわかる」「お父さん…… 勝手なことを言ってごめん」「良いんだ、だが1つだけ約束してくれ」 ゴラテの言葉をみな固唾を飲んで待つ。「絶対に生きて無事に帰ってきてくれ、それだけでいい」 ユモトは鳥肌が立ち、ギュッと目をつむった後に言った。「うん、絶対に帰ってくるよ。約束する!」「ムツヤ、モモの嬢ちゃん、ユモトをよろしく頼む」 いきなり名前を呼ばれた2人はビクッとしたが、深々と頭を下げるゴラテに返事をする。「ユモトさんは絶対に俺が守ります!」「私も同じ気持ちです」 話がまとまり、ムツヤ達は玄関に立っていた。「それじゃ、行ってきます」「おう、行って来い」 そう言って玄関を出ると、ユモトは最後までゴラテを見てドアを閉じる。 ユモトの家から少し歩いた先の時計台の下に待ち合わせをしていたヨーリィが居た。 大勢で押しかけても仕方がないだろうと、顔見知りのムツヤとモモだけ同行し、ヨーリィは買い出しをしていたのだ。「おまたせヨーリィちゃん」「私もいま来た
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-02-27
Chapter: 偽装工作 2
 遺体安置所へ行くと、棺桶に入れられたギルスのデコイがあった。「ギルドでの葬儀はこれを広場まで親しい者たちで運ぶ、私達で運ぶぞ」 大きな台車に乗せられた棺桶の周りをムツヤ達が囲む、その時ふとアシノが言った。「肝心なことを言い忘れるところだった。ギルスの死因は実験の事故で、私達の仲間になったのは、私がギルドに勧誘したからという設定だ」「わがりまじだ」 ムツヤは少し緊張気味に言った、他の皆も頷いて返事をする。「それじゃ行くぞ」 薄暗い遺体安置所を抜けると眩しい日差しが出迎えてくれた。全員でガラガラと台車を押してギルドの横を通り抜け、正面まで歩く。 そこには喪服を着た者たちが集まってギルスを待っていた。チラホラと泣いている者がいる。 待っていた者たちもムツヤの後を着いて広場まで移動する。演説台の隣でトウヨウが待っていた。 その演説台の前へ棺桶を置くとアシノとルーはトウヨウに1礼する。それに習い皆もお辞儀をした。 ムツヤ達は参列者の場所へと下がり、トウヨウが演説台に上がる。「皆、お集まり頂き感謝する。きっと故人もそう思っているだろう」 そこまで言って少し間を開けてまた話し始める。「ギルスは昔から冒険者ギルドへ勧誘していた。そして数日前にやっと首を縦に振ったというのに、実験中の事故という形で、この才のある若者が死んでしまった事は非常に残念で、非常に無念である」 ルーは泣き始めていた。おそらくまた唐辛子をちぎった手で目をこすったのだろう。ユモトも雰囲気に流されて少し泣きそうになる。「ギルドの仲間となって日は浅いが、ギルスの店で世話になった者も多いことだろう。そういった意味ではギルスは昔から私達の良き仲間であったと言える」「ギルスの安らかな眠りと冥福を祈って黙祷」 参列者達は皆、手を組んで目をつむり、両手を組んで祈りを捧げた。その後は1人、また1人棺桶に花を入れながらギルスへ最後のお別れの挨拶をする。 泣きながら花を入れる人々を見ると、ギルスの人の良さと慕われていることがよく分かった。 そして、そんな人達を騙していることにムツヤ達は心が痛む。 棺桶の蓋が閉められると、男達が棺桶を担いで町の外の墓地へと歩く。1つ空いた大きな穴に棺桶を入れて皆で土を被せた。そしてまた黙祷をする。 これでギルスはこの世にいない者となった。 葬儀が終わると
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-02-17
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