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鉱脈の竜

last update Data de publicação: 2025-12-14 20:14:09

「そんな竜を私達で倒せるかどうか……」

 マルクエンは少し弱気に言う。

「頼む、それに竜から素材が取れたら最強の剣を作ってやるよ!!」

「最強の……、剣ですか?」

 マルクエンが聞き返すと「あぁ」と言って得意げにサツマが話す。

「俺の先々代の更に先々代と語り継がれているだけどな、鉱脈に現れる竜からは最高の金属が採れる。そいつを使えば絶対に折れない錆びない剣が出来るってよ!!」

「ホントかしら?」

 ラミッタは疑いの目線を向けるが、そんな事は気にしていないようだ。

「そうさ!! 不謹慎かもしれねぇが、俺は竜が現れて感謝もしているんだ。俺の代で最高の剣が作れるかもしれねぇってよ!!」

 ふむ、とマルクエンは顎に右手を当てて考える。

「ラミッタ。どうする?」

「まぁ、勇者を待つ間は暇だし、まずは様子だけでも見てみましょうか。期待はしないで頂きたいけどね」

 二人の返事を聞いてバレイもサツマも顔を明るくした。

 ギルドを出る頃にはすっかり日も沈んでしまった。勇者と竜討伐の件があるので、宿はギルド持ちで用意という高待遇だ。

 この街で一番の宿に、マルクエンの一人部屋とラミッタ達の三人部屋が用意
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     無事に勇者として認められた二人。 そして、国から初任務を与えられる。「こんにちは。勇者就任おめでとうございます」 部屋へ入ると、一人の男が立ち上がって拍手をしながら言った。「申し遅れました。私はコニヤン軍の参謀長を務めさせて頂いております。シガレーと申します」「マルクエン・クライスです。よろしくお願いします」「ラミッタ・ピラです」 互いに一礼し、椅子に腰掛ける。「さて、早速ですが。お二人にはここから西の森にある魔物の出る箱を破壊して頂きます」「西にですか」 マルクエンが聞き返すと、シガレーは頷く。「はい。国の勇者や軍、実力のある冒険者も雇い箱の破壊をしているのですが、西の森にあるものは特に強力でして」「なるほど」 マルクエンは顎に右手を当てて考える。「わかりました。すぐに向かいましょう」「頼もしい限りです。馬車を用意させて頂きますので、運転手は必要ですか?」 シガレーに聞かれると、マルクエンは答えた。「いえ、何かあった時に巻き込みかねません。私は馬の心得が多少ありますので」「承知致しました」 王都を出ると、荷馬車が用意されていた。「それじゃ運転は頼んだわよ、宿敵」「あぁ、任せろ」 マルクエンが馬車を走らせ、西の街道を行く。 1日掛けて走ったが、まだ森の入口に近づいたぐらいだ。「今日はここで野宿ね」「そうだな」 日が暮れる前に野営の準備をし、二人は食事をし、寝た。 明くる日、森の中へと入る。「何だか鬱蒼とした森だな」「えぇ、体からきのこでも生えてきそうよ」 道はあったが、ガタガタと揺れが激しい。「うっ、酔いそう……。私は飛ぶわ」 ラミッタは馬車から降りて隣を飛び始めた。 その瞬間だった。殺気を感じた二人。 マルクエンは馬から飛び降り、ラミッタも剣を抜く。 森の中から何かが飛び出した。 ラミッタにそれが襲いかかる。 とっさに火の玉を十数発撃ち出して牽制を入れると、身を引かせて目の前に立ちはだかった。「お前ら、魔人だな?」 その人物は、見た目は女であるが、頭からは猫の耳が生えていた。「亜人……?」 この世界で何度か見たことがあるので、二人は特に驚かない。「魔人と言いましたか? それは誤解です!」「嘘つけ、私はソイツが空飛ぶの見た」 曲刀を両手に持って猫耳の女は敵意を剥

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  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   飛べよ

    「ラミッタ、手伝ってくれ」「なっ、本気なの宿敵!?」「仕方ないだろう。ヴィシソワさんも何か考えがあるんだ」 ヴィシソワに言われたことも理由の一つだが、空を飛べるチャンスだとマルクエンはワクワクしていた。 うぅーっと下を向いて唸ってからラミッタはマルクエンが鎧を脱ぐのを手伝う。 すっかり身軽になったマルクエンを前にラミッタは覚悟を決めた。「それじゃ、飛んでみましょうか」 互いにドキドキとしている二人。ラミッタは意を決してマルクエンに抱きついた。 ラミッタの柔らかい色々なものを体中で感じるマルクエン。「飛べ!! 飛びなさい!! 飛べよおおおおおお!!!」 まるで時間さえも飛び越しそうな叫び声を上げてラミッタは力を入れる。 同時にマルクエンもきつく抱きしめられた。 すると、どうだろう。マルクエンの身は2メートルほど浮かび上がる。「おっ、おぉ!!」 だが、十秒も持たずに地面へと着陸した。「だ、だめだわ……」「ふむ、マルクエンさんも飛ばせれば何かに使えるかと思いましたが。仕方が無い。訓練を始めますよ」 色々とあり、顔が真っ赤なラミッタだったが、呼吸を整えて落ち着く。「今日は一人ずつ戦います。そして、それを見て、自分には何が出来るか考えるのです」「私から行きます」 マルクエンは言って一歩前に出る。「良いでしょう。掛かってきなさい」 剣を引き抜いてマルクエンは更に半歩踏み出す。そこから目を閉じて青いオーラを身に纏い、一気に駆け出した。 ヴィシソワは槍と盾を持ち、それを迎え撃つ。 直線で距離を詰め、斬りかかるマルクエン。ヴィシソワが盾で受け止めると、凄まじい音が鳴り響いた。 これが一般の兵士ならば盾ごと全身の骨が粉々になっているだろうが、ヴィシソワの魔力で強化された盾は砕けない。(強い……。私と戦った時よりもずっと……) ラミッタは素直な感想を思い浮かべる。 斬り合いを繰り広げる二人。 途中でヴィシソワが距離を取ると、逃すかとばかりに光の刃を撃ち出す。 一進一退の攻防をしているように見えたが、ヴィシソワはまだまだ余裕がありそうだった。「そろそろ良いでしょう。交代です」 そう告げると、マルクエンは一礼して下がる。「それじゃ見てなさい宿敵!」 ラミッタが両手を広げて一回転すると、無数の火の玉が辺りに現れた。 それら

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   歌声

     ラミッタは構わず歌い続けた。「その目で何を見て その手で何を掴むのか やがてその足で 地を踏みしめ 子は何を望む 刹那の夢よ 神よ どうか祝福を」 マルクエンはラミッタの歌を初めて聞く。優しい歌声だった。「ルーサの子守唄よ。おこちゃまにはお似合いね」 ラミッタはニコリと笑う。「あぁ、とても良かった」 マルクエンがまっすぐ見据えて言うので、ちょっと目線を逸らして顔を赤らめた。「……ド変態卑猥野郎」 しばらく会話もなく、マルクエンは膝枕されたまま横になっていた。「ラミッタ、もう動けそうだ」「ホント、頑丈さだけは取り柄ね」 マルクエンは上半身を起こして、足に力を入れた。 何とか立ち上がるが、まだフラついている。「ほら、行くわよ」 ラミッタがマルクエンの左腕を肩に回して歩き出す。 やっとの思いで部屋に戻ったマルクエンは、ベッドに座る。「ほら、その鎧を脱がなくちゃ」「すまんが、手伝ってくれるか?」「分かっているわよ」 マルクエンは防具を脱ぐと、ベッドへ仰向けに倒れ込んだ。「あぁ、満身創痍だ」「でしょうね」 ラミッタは片目を閉じてため息を吐く。「何だか、久しぶりにこんな修行をした。疲れたが悪い気分ではないな」「え、アンタはマゾヒスト?」「違う!!」 ラミッタにからかわれるマルクエン。「アンタこういう修行とか好きそうだもんね」「ラミッタは嫌か?」「私は修行なんて好きじゃないわ。でも、強くなるため、仕方なくよ」「そうか……」 マルクエンはそう返事をしたかと思うと、目を閉じた。「ラミッタ。頼みがあるんだが」「内容次第ね」「また、歌を歌ってくれないか?」 言われ、ラミッタは赤面する。「い、嫌よ!! 私の歌なんて聞いてもつまらないでしょ!?」「そんな事はない。良い歌声だった」「なっ!!」 マルクエンは目を閉じていたが、顔を赤くしてプルプルと震えるラミッタの顔が目に見えるようだった。「と、特別ね、特別だからね!!」 目を閉じているマルクエンにラミッタは歌を披露する。夢見心地のまま、眠ってしまった。 マルクエンはモソモソと目を覚ます。少し仮眠をするだけのつもりが、窓から差す日差しが朝であることを告げていた。 いつぶりか分からないが、全身筋肉痛に見舞われている。「マルクエン様、朝

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   しんみりと

     マルクエンは夢中でパクパクとパフェを食べ進めていた。「私の国でも氷魔法を使用したアイスクリームはあったが、これはまた別格に美味いな」「ルーサのアイスはもっと美味しいわよ」 ラミッタが言うと、マルクエンは興味津々だ。「ルーサのアイスか。食べてみたいものだな」「無理に決まっているじゃない、戦争中よ?」 この二人はイーヌ王国とルーサが終戦したことを知らない。「あぁ、そうかもしれんが……」 攻撃を仕掛けたのはイーヌ王国だ。マルクエンは思わず俯く。「……まぁ、今の私達には関係ないことよ」「ラミッタ。私達が死んだ後、戦争はどうなったと思う?」「ちょっ、誰かに聞かれたらどうすんのよ

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   お試しのクエスト

     マルクエンは剣を構えて精霊に突進した。そのまま縦に振り下ろすと、軽々と一刀両断される。 次の精霊も、剣で薙ぎ払い。観衆からは「おぉー」っと感心の声が上がった。「宿敵、そろそろ交代しなさい」 夢中で精霊を倒し続けていたマルクエンをラミッタが制止する。「あっ、あぁ、すまんな」 マルクエンがハハハと照れ笑いをしながら戻ってきた。「それじゃ、私も行きますか」 ラミッタも背中の剣を引き抜いて、まずはブンブンと振り回してみる。 ヒュンヒュンと風を切る音がして、剣は意のままに動いてくれた。初めて握るのに、手にしっくりと馴染む。 次に、丸太に向かって走り、空中で横に一回転し、勢いを付けて

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   あめちゃん

    「む、美味いな」 飴をペロリと舐めてみるマルクエン。「そう言えば、こういう棒付きのお菓子って食べ歩きして転ぶと、喉に棒が刺さって死ぬって言うわよね」 ラミッタの言葉を聞いたマルクエンは顔が真っ青になる。「ほ、本当かラミッタ!? どうしよう、どこかで座って食べよう!! そうしよう!!!」「いや、気を付けて食べれば大丈夫でしょ……」「だ、だが、万が一も……」 面倒くさくなったラミッタは、はいはいと返事をした。「分かったわよ、あそこのベンチに座って食べましょう」 二人はベンチに座ってハート型の飴を舐めている。 流れでやってしまったが、ラミッタは自分達が周りからどう見られてみるの

  • 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが   いざ、ライオへ!

     翌日の朝、勇者マスカルとマルクエン、ラミッタは街中の人達に見送られながら馬車に乗った。「このまま街道を往き、ライオに寄り、王都アムールトを目指します」「やっと、ライオの街を拝むことが出来そうです」 マルクエンが笑いながら話す。「何故、ライオの街を経由するのですか?」 ラミッタは流石に勇者相手には敬語だ。「アムールトまではライオから3日掛かります。物資の補充と、休息のためですね。先程の街は駐在の軍隊も、冒険者も多かったので滞在しましたが」 そこまでマスカルが言うと、魔道士アレラが補足する。「我々を狙う魔人に襲われた場合、宿場町を危険に巻き込む可能性があるので、箱を壊す時以外は

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