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Kaede Karasuba
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Novels by Kaede Karasuba

働きすぎた社畜、死んだらダンジョン核に転生して魔王に!? 〜自由に生きてたら、気づけば勇者と結婚してました〜

働きすぎた社畜、死んだらダンジョン核に転生して魔王に!? 〜自由に生きてたら、気づけば勇者と結婚してました〜

ブラック企業で心身を擦り減らし、不幸が重なりついに倒れた社畜の俺。 だが目覚めた先は──“ダンジョン”の中!? 気づけば、俺は魔王として転生していた。 魔王? ダンジョン運営? 眷属創造? 闇魔法? ……いいだろう、今度こそ自分の人生を好きに生きてやる。 自由気ままな第二の人生を楽しもうとする俺だが、 ダンジョンを巡る企業の介入、冒険者の襲撃、そして── 世界を救う“勇者”の存在が、俺の“自由”をかき乱していく。 これは、働きすぎた一人の社畜が、魔王となって辿り着く “ちょっと血生臭くて、でも確かに温かい”終着点の物語。
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Chapter: 第9話「“双角の迷宮”と呼ばれているらしい」
 五階層の“マザーウィッチ”――その召喚が完了した直後、コアルームの空気が一変した。 禍々しい瘴気のようなものが地面を這い、空間が軋むような重圧が押し寄せてくる。 召喚陣の中心に立っていたのは、腰を曲げ、ぼろ布をまとった不気味な老婆の姿。 しかし、目だけはぎらりと光を放ち、その存在感は他の魔物とはまるで別格だった。「……うわ。マジで、来たな。強者の“圧”ってやつだ……」 俺はしばし、言葉を失っていた。 この老婆――マザーウィッチは、間違いなくこのダンジョンに新たな“格”をもたらす存在になる。そう、直感で確信した。 ◆  ――それから数日後。 俺はコアルームに浮かびながら、システム内の“冒険者配信チャンネル”を開いていた。 ……いや、なんでこの世界のダンジョンシステム、ネット繋がってるんだ? 便利だし、ありがたいけども。  ふと疑問に思いながらも、しっかり配信をチェックしているあたり、もう慣れたもんだ。 前世の社畜時代も、こうして夜な夜な他社のダンジョン配信を見ては勉強してたなぁ……。「やっぱ、他のダンジョンって、ちゃんと作り込まれてるな……」 改めて思う。罠の配置や誘導導線、演出の緩急――プロの仕事だ。 俺のやってることは、まだまだ甘いな……。 そんな時、ふと画面の横に流れていた配信のコメントが目に留まった。『最近できたダンジョンで、“双角の迷宮”って知ってるか?』『ん? 双角……?』『あー、前にCランクの|盗賊《シーカー》系冒険者が金髪の人型魔物に殺されたのが配信で流れたやつだろ?』 え、それって――レイラのことか? ダンジョンが出来て最初の頃に、そんな出来事があったのを俺は覚えていた。 このダンジョンが知られるようになったきっかけの一つでもある。『確か、最近イレギュラーエネミーで銀の毛
Last Updated: 2026-06-21
Chapter: 第8話「五階層、霧深き森に魔女を招いて」
 ヴァルトは疑問に思いつつ、レイラに視線を向けるとレイラは言葉を続けた。「五階層の“中ボス”として……“マザーウィッチ”という魔物を配置してはどうでしょうか?」「マザーウィッチ……?」 聞き慣れない名に、俺は首を傾げる。「状態異常を得意としながら、攻撃魔法の適性も高く、さらに下位魔物の召喚までこなせる存在です。単体でも厄介ですが、持久戦において真価を発揮します」 ほう、万能型ってわけか。「それはいいな……バランス型の中ボスって、王道だけど堅い選択だし、召喚魔物の混乱を加えれば面白くなりそうだ」 俺が頷くと、ゼトスがぽんと前足を上げて発言権を取った。「であれば、そのマザーウィッチが活きるように、五階層の“部屋構成”も工夫すべきですな。例えば……森を模したフィールドなどはどうでしょう?」「森か……?」「はい。遮蔽物や視界の悪さは、魔力行使や状態異常を仕掛けるには好都合。さらに下位召喚魔物の伏兵的運用にも向いております」 たしかに、言われてみればその通りだ。霧でも張れば、トラップとの相乗効果も期待できる。「よし、それでいこう! 五階層は“深い森と霧”のエリアにする!」 そう決まった瞬間、ふと疑問がよぎった。「……でも待てよ。そもそも、“マザーウィッチ”って、指定して召喚できるのか?」 いままでは自動的にゴブリンとかが出てきてたけど、あれってランダムだったよな……。 そんな俺の疑問に、タイミングを測ったかのように―― 《可能です。しかし、通常の召喚とは異なり、特定の魔物を召喚する場合、消費される魔素が多くなり拡張ポイントも消費されます》「うおっ、びっくりした……!」  いきなり脳内に響いた無機質ボイスに、思わず声が漏れる。けど、答えがもらえたのはありがたい。「ってことは、召喚自体はできるわけだな。なら決まりだ。五階層を作って、そこにマザーウィッチを配置する」
Last Updated: 2026-06-20
Chapter: 第7話「“凍狼王”ゼトス、忠誠と共に吠える」
 世界の声が響いた直後、俺は迷わず《はい》の選択肢を選んだ。 《眷属召喚を開始します……》 コアルームの空間が微かに震える。レイラが俺のすぐ横に立ち、警戒と興味が入り混じったような目で周囲を見渡していた。 次の眷属が来る。それはつまり、俺のダンジョンにとって新たな仲間が増えるということだ。 光の柱が、拡張したばかりのコアルーム中央に降り注ぐ。  その光の中から、唸るような風と共に、銀灰の毛並みを持つ巨大な狼が姿を現した。「……でけぇ」 思わず声が漏れた。その大きさは俺の想像を遥かに超えていた。 正直、天井まで届きそうなサイズで、さっき広げてなかったら完全に詰んでたレベルだ。 そのときだった。 ぽんっ――という、やけに軽い音と共に、目の前のフェンリルが小さくなった。あれよあれよという間に、サイズは通常の大型犬くらいにまで縮む。「……今度は、小さくなった」 俺の言葉に反応するように、そのフェンリルが俺の前に伏せた。「お初にお目にかかります、主。我は|凍狼王《フェンリルキング》のゼトスと申します。主の呼びかけに馳せ参じました」 落ち着いた低い声。威厳ある挨拶。なのに――尻尾がぶんぶん振られている。 ……かわいいな。 口には出さず、心の中でそう呟いた。「よろしくな、ゼトス」 そう言って頭を撫でると、今まで以上の勢いで尻尾が暴風のごとく振られる。ご丁寧に耳までぺたんと寝かせて、どこからどう見てもただの忠犬だ。 いや、ほんとにわかりやすいな! そんなゼトスに軽く笑いながら、レイラも一歩前に出て会釈をした。「|主《マスター》の第一眷属のレイラです。よろしくお願いします」「こちらこそ、よろしくお願いします、レイラ殿!」 二人が挨拶を交わしたところで、俺は少しだけ真面目な話をすることにした。「さて、これからダンジョン
Last Updated: 2026-06-19
Chapter: 第6話「進化の兆しと、新たなる“仲間”の予感」
 画面の奥には、俺の“ダンジョン”の全体図が浮かび上がっていた。 その地図を眺めながら、俺は腕――いや、正確には核だから腕はないけど――まぁそういう感じで考え込む。 やるなら、徹底的にやってやろうじゃねぇか。「まずは階層を増やす。これだけ侵入者が増えてるなら、ワンフロアで収まるわけがないしな」 そう呟きながら、構築開始。 今ある空間の下層に、新たな階層を次々と追加していく。  しかも、ただの迷路じゃ芸がない。  ニ層目は錯視を利用した視覚トラップ中心の構造。 三層目は浮遊床と重力反転のギミックダンジョン。 四層目は光を遮断した真っ暗な空間に、音と振動を頼りに進む構造……。 やってやるぜ。元社畜のプライドにかけて、めちゃくちゃ効率的でえげつないダンジョンを作ってやる。「|主《マスター》、どこまでやるつもりですか?」 背後からレイラの声。無表情だけど、若干引いてる気がする。「まだまだだ。あともう一押し、コアルームも拡張しておかないとな。俺の居住空間がこんな殺風景なままでいいわけがないだろ?」 石造りの四角い部屋――それが“俺の部屋”だった。これを機に、もう少し過ごしやすいようにしておく。 そして、ふと思いついた。「レイラ、お前にも部屋を作るわ」「……え?」「いや、だって頑張ってくれてたし。個室ぐらい欲しいだろ? あとお風呂とキッチンも追加するぞ。女の子だし、さすがに不便だろうからさ」「……|主《マスター》」 レイラが微かに目を見開いて、そっと口元を抑える。 ほんの一瞬、あの無表情に柔らかな陰影が差した気がした。「……ありがとうございます。嬉しいです」 おー……、なんか素直に喜ばれると照れるな。 と、とりあえず作業に戻ろう。 拡張ポイントを使って、シャワー付きのバスルーム、最新型キッチン(っぽい調理室)、そしてレイラ専用の部屋を作成。
Last Updated: 2026-06-18
Chapter: 第5話「再起動した“核”、動き出すダンジョン計画」
 ……眩しい。 まぶたの裏に差し込んできた柔らかな光に、ゆっくりと意識が引き戻されていく。 なんだろう、この感覚……眠っていた? 俺が? まるで数日間、何もかもを忘れて眠っていたかのような――。「……ぐぅ、すぅ……むにゃ……」 ふと耳に届いた微かな寝息に目を開けると、視界の端に見慣れた金色の髪が映った。 空間の片隅。石造りの壁際に座り込んでいるのは、我が眷属・レイラだった。  相変わらずの無表情……って、寝てる!?  驚きつつも、その寝顔が妙に整っていて少し見入ってしまう。 だが、それ以上に俺の目を引いたのは彼女の姿だった。 服や肌にうっすらと汚れ。傷は見当たらないが、かなり戦った跡が見て取れる。 そのことに気付いた瞬間、俺は慌ててダンジョンの状況を確認した。 《ダンジョン監視インターフェース》を起動。現在の構造、魔物の数、侵入者のログ……。 驚いたことに、魔物の数は半分以下になっていた。だが――「……強くなってる?」 どの魔物も、動きがキレてる。スピードも、連携も、まるで最初とは別物だ。 なんだこれ、ゲーム的に言えば“レベルアップ”ってやつか? さらに侵入状況を確認して、思わず絶句した。「うわ……マジか。常に誰か入ってきてるじゃん」 定期的に、複数のパーティがこのダンジョンに挑んできている。 ログの量から察するに、この数日間、連日連夜で冒険者が入り込んでいたらしい。「やば……俺、不在中にめちゃくちゃ忙しかったんじゃ……」 慌てて拡張画面を開いたその瞬間、俺の目に異様な数字が飛び込んできた。──────────────────【ダンジョンステータス】名前:未設定(※初期値)階層数:1配下数:1(レイラ)魔物数:42罠設置数:18拡張ポイント:1630経験値:3204/8200──
Last Updated: 2026-06-17
Chapter: 第4話「ダンジョンを再設計したら、俺がダウンしました」
 ダンジョンの最深部――俺、ヴァルト・ノクスの“核”が鎮座するこの空間は、相変わらず静かだ。  目の前に立つのは、相変わらず無表情で毒舌な美女、眷属のレイラ。 静寂を破ったのは、そんな彼女の淡々とした一言だった。「……それにしても、あの冒険者、思った以上に弱かったですね。反応も遅いし、攻撃も単調で」 いやいや、普通に強かったと思うんだけど? 俺の罠とゴブリンくんたちなんか“秒殺”されてたぞ。 「弱くはないと思うんだけどなぁ。ほら、召喚したゴブリンくんたち瞬殺されちゃったし」「あの程度の冒険者にも勝てないなら、元から必要なかったのでしょう」 いやほんと、あの世で一回ぶん殴られてこい。「レイラ。短い時間だったけど、一応、仲間だったんだからそういう言い方はダメだよ?」 俺は元人間だから、魔物?魔族?側の感情とか思考回路とかわかんないし、本来は俺が合わせるべきなんだろうけど。  どこまでいっても、ここでは俺が王様なわけだし、俺が言うことがルールでもいいよな?「……はぁ。では、“気の毒でしたね”」「まるで慰霊碑の前で言うような言い方やめなさい」 わかってもらうには、まだまだ時間がかかりそうだ。 ……まあ、それはさておき、今後の方針だな。 あの冒険者の遺骸がダンジョンに吸収されるのを眺めながら、俺たちはダンジョンの構成を見直すことにした。 問題は拡張ポイントが足りないってことだよなぁ。 現状、初期の10ポイントはほぼ使い切ってる。追加階層も、特殊ギミックの設置もできない。 これ以上何かを足そうにも、材料がないのだ。 ポイントを稼ぐには、冒険者を倒すしかない。となれば、今ある構造を活かすしかない。 低コストで高効率な、殺戮特化型のルート設計を――。 そんな俺の考えを察したのか、レイラがわずかに眉を動かす。 「そんなに心配なさらなくても大丈夫です。ある程度のことは私がなんと
Last Updated: 2026-06-16
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