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Novels by もふねこ

「ボクとエッチしてください!」〜オレがイケメン童貞に迫られた件〜

「ボクとエッチしてください!」〜オレがイケメン童貞に迫られた件〜

「ボクとエッチしてください!」 見知らぬイケメン童貞に迫られる!? おひとり様人生を謳歌していた23歳・智也。引っ越した先のボロアパートで、ある晩突然“童貞でイケメン”の青年・トラに遭遇。 見知らぬ相手の大胆すぎるお願いに、猛然と戸惑う智也だったが──。 "初めまして"から始まる予想外の恋と欲望の幕開け! そして一夜の熱い出逢いが、思いがけない切ない“余韻”に…?
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Chapter: 第15話 おはよう、また恋をしよう ⑥
*** 真っ暗な自宅に戻ると、静寂がどっと押し寄せた。 トラのいないベッドで寝るなんていつぶりだったかな…なんて浮かんでくる。 いつもの狭くてぎゅうぎゅうの、でも、陽だまりみたいに暖かなベッドが恋しい。 トラの体温が無いここで、寝れるのだろうか──。 『──と、─も、──ともや、──智也くん!智也くん!』 『ボクはここだよ!ここ!ここにいる!智也くん!』 『智也くん!智也くんっ!智也くんっっ!!──』 「──トラッッ!!」 ガバッと飛び起きた。 「はぁっ、はぁっ…」 心臓がバクバクと早鐘のように鳴り、息は上がり苦しかった。 トラが必死でオレを呼ぶ姿が、まだ脳裏に残っっていた。 カーテンの隙間から、眩しい朝日が差し込んでいた。オレは知らずに寝ていたようだった。 「早くトラを見つてやらないと…」 熱いシャワーを浴びてから、トラの実家に向かった。 *** 電車を何回か乗り換えて、ばぁちゃんに教えてもらったトラの実家がある最寄り駅までやってきた。 まだ活気のある商店街のアーケードを抜けると、ばあちゃんが言っていた「サンロードストア」があった。地元のスーパーといった小規模なスーパーだった。 「…ここの隣か…」 スーパーの建物に沿って角を曲がりキョロキョ
Last Updated: 2026-10-04
Chapter: 第15話 おはよう、また恋をしよう ⑤
「あの子だ、そう、あの子」 ばぁちゃんは遠くを見つめて、小さく何度もうなづいた。 「……ばぁちゃん?」 「思い出したぞ、智也。あの子、オマエとよくマウントの取り合いみたいな事をして戯れ合っていた子だろう?」 「そう!そいつトラ!何でばぁちゃんが知ってんだよ」 「ああ、よく美彩子《みさこ》の代わりに私が智也を習い事に連れて行ってたからね。トラくん……、なるほどだね」 「かぁちゃんの代わりか!」 「そうそう、美彩子も忙しかったからね。そう言えば、練習の間、トラくんのお母さんとは何度も話したことがあって、確か、みどり台小学校で……、ん〜ん……、そう、ひばりの丘駅のサンロードストアの隣に住んでるって言ってたはずじゃ」 「それは初耳だ。ばぁちゃんナイス!」 「ご実家で何かわかるかもしれないですね」 「そこから何か辿れるといいわね。まぁいきなり『お付き合いしている者です』とか口滑らすんじゃないわよ。アンタ馬鹿だからさっ」 涼《すず》くんは優しい笑顔だった。 「おう、そうだな!気を付けるぜ」 「私も出てきた意味があったようだね。頑張んなさい、智也。大事な人なんだろ」 「まあな!どんな事があっても一生、いや、死んでも一緒にいるって決めてるからな。ばぁちゃん、サンキューな」 「あははっ!良いね、私の孫らしい。頑張んな、智也」 「おお、ばぁちゃん!影山くんも涼《すず》ちゃんもありがとな」 「力になれて良かったです」 「何かあったらまた来ても
Last Updated: 2026-10-03
Chapter: 第15話 おはよう、また恋をしよう ④
「はい。蘭子さんならもしかしたらわかるかもしれません」 「ばぁちゃんか。……ちゃんと天国に、いるんかあの人?」 急にボコッと頭を叩かれた! 「このっ!天国に決まってるだろう!口の減らんヤツめっ!」 振り向くと蘭子ばぁちゃんがフワフワと浮いて現れていた。 「ばぁちゃん!」 「ああっ、また呼ぶ前に出てこられましたね…」 影山くんは困惑した顔になった。 「ばぁちゃんどうせ話聞いてたんだろ?トラ、そっちにいるかわかんないかな?」 「こっちの広さは地球どころじゃないからな。天国事情は1部しかわからん。ただ、わかる中で言えば、いない」 頭をゆっくり左右に振った。 「そっか…。でも、いないってことは、まだこっちにいる可能性があるってことだよな」 「そうですね。可能性は残されてますね」 「何か手掛かりがないもんかな〜…」 オレは頭をクシャクシャっと掻いた。 「でもさ、ばぁちゃんは天国からヒョイヒョイこっちに戻ってこれるわけじゃん?トラが成仏しててもこっちに来れるなら問題ないんじゃねぇの?」 「西口さん、おばぁ様がこちらに来れてるのは、僕の力が助けになっているからだと思われます」 「そうよ、なーくんの力よ。それに大した時間居れないはずよ。ゆっくりアレもコレもする時間なんてないわよ」 「可愛い顔して随分意味深なこと言う子だね。最近の子はこんななのかい?」 ばぁちゃん
Last Updated: 2026-10-02
Chapter: 第15話 おはよう、また恋をしよう ③
「今日いなくなったんですか?」 「そう。夜になって現れなかったんだ」 「うーん…。そんな日もあるのかもしれない気もしますが…」 「オレが作る唐揚げの日だぞ?トラの大好物だ。現れないなんて、何かあったとしか思えない」 「なるほど。恋焦がれる西口くんの存在と大好物の唐揚げ…。幽霊って欲に動かされやすいはずなんですよね…」 「ちょっとなーくん、幽霊のことそんな風に思ってるの?」 涼《すず》ちゃんは腕を組み影山くんを上から見下ろした。 「あ、まぁ、一般論というか、ボクの体感というか…、えーーと」 影山くんは涼《すず》ちゃんには弱く、しどろもどろだった。 「体感ねぇ…。それは後でまたなーくんには実感してもらうとして、でも確かにアンタから感じてもいいはずの、あの子の影みたいな執着が強く感じられないのよね…」 「そこは執着の強い幽霊同士、涼《すず》の方が僕よりわかりそうだね」 「一括りにし過ぎだわ、なーくん。アタシの執着300年、前前前世からみたいなもんだからね。あの子の執着なんて昨日からみたいなもんだわ。ヒヨッ子よ!…でも、まぁ、あの子なりの執着の強さも知ってるんだけど…」 「今の今、トラの執着がオレに対して弱いってことか?」 「そうね、あの子だったらアンタが一人の時でも雁字搦《がんじがら》めにしてそうだもの」 「どうにかトラの居所…、いや、何か些細なことでも良い、わかること教えて欲しいんだ」 「アタシもそう思って、さっきから色んな方向から試してるんだけどね…」 いつもと違っ
Last Updated: 2026-10-01
Chapter: 第15話 おはよう、また恋をしよう ②
*** オレはいつまで呆然と泣いてる気だろう…。 何周も回って、そんな気持ちが湧いてきた。 「……一生死ぬまで一緒にいるって…、死んだってずっと一緒だって言ってたくせに…」 濡れた頬を手でグシグシと雑に拭った。 「…あんな真面目なヤツのくせに、嘘付くようなことしてんなっ……」 悲しみと悔しと怒りと……もう自分でも分からないグチャグチャな感情に拳を握り、ガツッと自分の太腿を殴った。 「…おいっ、トラ…。ふざけんなっ…。そんなんな、オレが許すわけねぇんだよっ!」 「オレの方がオマエに取り憑いて離さないって言っといたよなっ?」 「…どんなことがあっても、絶対見つけてやるからなっ!待っとけっ!!」 オレは立ち上がり、あっという間に部屋から飛び出した。 星空の下、オレは全力で走った。 目に映るのは二人で歩いた道、いつも行くスーパー、カフェ…。トラはあたり前のように何処にもいなかった。 オレは今そこに悲しさを求めるつもりもなく、諦めるつもりもない。 とにかくやれることをやる。 「──あ、影山くん?急用なんだ。悪いけど、あと10分しないで家に行くから──」 電話を切ってスマホをポケットに突っ込みまた走り出した。 駅の向こう側へ渡って路地に入る。その先にある、影山くんの家に少し近道になる墓地の入口から入った。 初めてトラと来た時は2人して戦々恐々としながらノロノロ歩いた墓地だったが、そんな薄気味悪
Last Updated: 2026-09-30
Chapter: 第15話 おはよう、また恋をしよう ①
「……んんッ!あっ、あっ、はっぅっ、も、ダメっ、イクッ…トラッッ!!」 智也の身体はギュッと硬直すると勢いよく白濁を自分の腹の上に放った。 智也のビクビクと痙攣する太腿を抑えて、ボクを求めて畝《うね》る腹の奥へ昂《たかぶ》りの全てを吐き出した。 「…アッッ!!はぁっ…、智也、智也好き…っ」 「…うッうッ…あっ、トラ…好…」 そのまま抱きしめあって、何度も深く唇を求めあった。 全てが溶けて混ざり合うそんな重なりに、ボクはまた鮮明な自分を取り戻すみたいだった。 そのままボクの腕の中でうつらうつら気持ちよさそうな智也くんを宝物のように慈しむ。 「…トラ、まじで一生、オレのもんでいろよ…」 半分寝言みたいに呟いた。 「うん、ちゃんとわかってるよ。智也くんも全部ボクのものだよ…」 ふっと目が開いて、幸せそうにボクの頬を撫ぜた。 「…また明日、智也くん。おやすみ…」 そう言って、智也くんの頬にキスをした。 *** もう朝日はとっくに昇り、微睡みの中いつもの遅い土曜の朝を迎えた。 昨夜一緒に眠りについたはずの幽霊のトラは朝日と共に、いつも通り消えてしまった。 ただ、昨夜愛を確かめ合った身体は、幸福感に満ちた気怠さに包まれていた。そして、トラの存在の証のように、オレの身体に残された赤紫の沢山の痕たち──。 「トラ、おはよー。いやいやキスマ残し過ぎだからな〜」 胸元の赤紫を撫でながら、一人きりの部屋にオレのニヤけた声だけが響いた。 午前中は溜まった洗濯物や家事をして、午後は最近通いだしたジムへ行き買い物をして帰った。 今日はオレが夕飯を作ることにしていて、トラの大好物、唐揚げの下味まで日のあるうちに仕込んでおいた。 「うん、絶対美味いはず」 そして、夕日の眩しさに目を細めながら夜が訪れるのを楽しみに待った。 待った。 トラを待った──。 すっかり暗くなった夜空を確認した。 「……トラ?おーーい、トラちゃーーん!?」 小さな部屋を隅々まで見渡した。風呂もトイレもベッドの下も、冷蔵庫の中まで。 「トラ!?…トラ??…トラ?……」 何度見回しても、何度名前を呼んでも見えないどころか、物音一つしなかった。 「…トラ、何か用事あるのか?…幽霊にも急用があったりする、かも
Last Updated: 2026-09-29
動物のお医者さん🐾今日も夫夫日和です♡

動物のお医者さん🐾今日も夫夫日和です♡

ー変わらぬ愛がそこにあるー 海沿いにある「あおぎり動物病院」を営む兄弟獣医、院長・梧颯真と、副院長・梧碧玖。 二人には、誰にも言えない秘密があった。 ——彼らは義兄弟であり、そして「夫夫」だった。 高校生と獣医学生という男同士のお見合いから始まり、遠距離恋愛やすれ違いを乗り越えて紡がれた二人の長い愛の軌跡。 そして、獣医として、夫夫として、共に歩む甘く温かな日常の物語。 コミカルスパダリ兄×ツンデレ弟
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Chapter: karte 3 : 一緒に歩もう・後編(最終話)
3 ボクはその後目指していた大学の獣医学部に合格した。いつか颯真さんと動物病院を開くための、夢の第一歩だった。 そして高校卒業のお祝いにと、颯真さんが卒業旅行をプレゼントしてくれた。 雲ひとつない青い空に青い海、ボクたちを乗せたフェリーは白い波を立たせながら佐久島へ向かった。 春の太陽に、颯真さんの笑顔が眩しかった。 港へ降り立つと解き放たれた心地良さに二人して深呼吸をした。穏やかな潮の香りが心をくすぐった。 すると颯真さんはご機嫌に口を開いた。 「ほ〜らね、どうよ、この天気!」 「…自分の手柄にしないでください。ボクも晴れ男です」 ボクも調子に乗って得意気にふふんと返した。 この自然豊かな小さな島は徒歩でも半日もあれば回れてしまう。その至る所にアート作品が点在していて、それも楽しみだった。 港から少し歩くと〈おひるねハウス〉が見えた。それは9マスで仕切られた黒い額縁のような造形物でハシゴで登れるようになっていて、ボクははしゃいでするりと潜り込んだ。 「颯真さんも来て!」 そう声をかけると、ニコニコしながら颯真さんはやってきて、その小さな四角に二人でゴロリと横になった。 目の前はブルーの海と空だけ、颯真さんとボクだけだった。息を飲む美しい景色に見とれながら、ボクたちの存在も溶けて同化しているような、そんな場所だった。ひっそりと重なるボクたちの鼓動と波音だけがうるさいみたいだった。 お互いの体温に動けなくなっていた。限界だと思った。 「誰か来たらやばいですね」 「うん…男同士ここで密着してるの、結構ハイリスク」 二人して苦笑いをしてその場を後にした。 島の小道を探索するように並んで歩く。木々のトンネルに古民家の集落。不思議なくらいにボクたちだけだった。時折出会うのはお昼寝中の猫や石垣の間をすり抜けていく猫たちくらいだった。僕たちだけの島みたいで、贅沢な時間だった。 颯真さんは猫や風景に気を取られていたけれど、ボクは颯真さんと二人きりのデートだと思うと胸の高鳴りが抑えられなかった。時々肩を寄せては、ボクのこの空いている掌に気付かないかと一人ドキドキしていた。 いつまで経ってもボクの右手に気付かない颯真さんに痺れを切らして、ボクは小さなため息とともにそっと颯真さんの手を握った。 やっと
Last Updated: 2026-06-29
Chapter: karte 3 : 一緒に歩もう ・前編
1 穏やかな青い海、波の音と潮風が通る道。僕らの毎日がここにある——。 ここは『あおぎり動物病院』。兄弟二人で開業している。 マスク越しのキスを思いっきり目撃されてしまった院長・|颯真《そうま》と副院長・|碧玖《りく》は、もう誤魔化せないと思い看護師・ユリちゃんに事情を話したのだった。 「──で、入籍されていて|夫夫《ふうふ》としての義兄弟だったんですか!?」 ユリちゃんは院長・副院長と膝を突合せ冷静に話を聞いていた。 「そうなんですよ、ユリちゃん…」 院長は少し心配そうな顔をしていた。 「………」 マスクから見える副院長の目は、そこだけでも充分に分かるほど落ち込んでいた。どんな捉えられ方をするのかと、怖さを滲ませていた。 「……事情は分かりました。お話していただいてありがとうございます。……あの、一つ言うなら、デキているのはとっくのとうにバレていましたよ!!」 ばーーんっ!! これでもかという力強い答えが返ってきたのだった。 院長も副院長も驚きのあまり目をぱちくりさせ言葉が出なかった。 「…安心してください。私も、ナミちゃんもアイちゃんも、ここの看護士全員腐ってるんで!あ、もとい、恋愛に性別は関係無いと思っているので、|無問題《モーマンタイ》です」 「え、えーと、腐ってる?モーマンタイ…受け入れてくれてるってこと」 「はい。受けれるも何も、幸せな人の恋愛に意見するなんておかしいですよね?」 「良かったです。ほっとしました」 碧玖は胸をなで下ろした。 「ありがとう、ユリちゃん」 颯真もほっとして緊張が緩んだ。 「さ、先生方、患者さんがお待ちです」 ユリちゃんは颯爽と受付に向かった。 「…ふぅー、どうなるかと思ったけど良かった」 「本当に。ほっとしました」 二人は支え合うように、力が抜けたお互いの身体を抱き留めた。 ──ほんの一歩だけれど、ボクたちが夫夫として当たり前に受け止められた温かい場所は、ボクたちのすぐそこにあった。 不安に枕を濡らしたあの頃のボクに教えてあげたい。 君の未来は幸せに溢れているよって。 2 「おおー!お帰り、朝帰りの碧玖クン!ハジメテどうでした〜??」 颯真さんとの初デートでそのまま一泊して寮の部屋に戻った時、先輩が冷やか
Last Updated: 2026-06-29
Chapter: karte 2 : 秘密は、休憩時間に ④
4 掛けていたアラームが鳴り、ボクと先生は眠い目を擦り少し|微睡《まどろ》む。 先生はボクを抱き寄せて、唇を重ねる。 「…あ、先生、今日はもうあと3回しかキス出来なくなっちゃいました…」 ボクと先生は、あのファーストキスの日から守っているジンクスがある。 「…え〜、キミちゃんと数えてたの?」 「当たり前です。先生に教えてもらった大事なジンクスですから」 「……教えるんじゃなかったなー、こんな真面目さんに…」 先生はちょっとおどけながら困った顔をしていた。 「…付き合った最初の年は、キスは1日10回。次の年は11回。…先生とボクは今年で1日23回です。これを守ってると、絶対にお別れしないんですよね?」 「…うーん、でもさ、守らなくても、キミとボクなら別れるなんてことあるわけないでしょ?」 「………そうですけど……」 ボクの不服そうな様子を見て、先生は提案した。 「…わかった。いい方法がある。今は、あと1回だけキスをしよう。じゃあ、僕に任せて」 そう言うと先生はボクにキスをした。 ボクを深く強く求める長いキスに頭の芯が蕩け、身体が熱かった。 長い間唇を重ね名残惜しく唇を離した。 とても長い1回のキスだった。 二人して息が上がっていた。 どれだけ深く求めてもキスだけでは切なくもどかしさが募る…。 すると先生がその先も求めるように、ボクの首筋にキスをした。 「……唇意外なら、数には入らないでしょ?」 そう言うとボクの身体に何度も優しくキスを落とした。 それからボクたちは、お互いの身体の隅々まで慈しむようにキスを贈りあった───。 午後の診察時間に間に合うギリギリにセットした最後通告のアラームが鳴った。 「この続きは今夜しようね、碧玖…」 そう言って先生はボクの唇にキスをした。 「あぁ!先生、今日はもうあと1回しか出来ないです…」 「大丈夫、夜中の12時を回ればまた一から数え直しでしょ?」 先生と顔を見合せて笑いあった。 「……先生、ボク、キスを数えるのやめようかな…」 「うん、随分前から僕達にジンクスなんていらないでしょ?僕と碧玖で叶えていけばいいだけだよ」 「…はい、一緒に叶えていきます」 「よし、碧玖おいで」 そう言って、ボクを抱き締
Last Updated: 2026-06-29
Chapter: karte 2 : 秘密は、休憩時間に ③
*** そして日曜日、お見合いから2ヶ月以上経って初めてのデートだった。 ボクは高校の正門前で颯真さんの迎えを待っていた。 ボクは首の開いたTシャツに黒スキニー、髪型はウルフカット。ちゃんとその頃の流行りを抑えていた。 待っている間落ち着かず、もしかしたら連絡が来てるかもしれないと思い、何度も携帯電話を確認する。空港から車で迎えに来てくれると言っていた。 間もなく、颯真さんが迎えにきてくれた。ボクは嬉しくなって手を振った。 促されて車の助手席に乗ると挨拶半分で言われた。 「お見合いの日は袴だったけど年相応でいいね」 「…それ、子供っぽいってことですか?」 ボクなりに背伸びをしたつもりだったのに、年相応と言われるのはちょとがっかりした。 ボクの頑張りは伝わっていないのかもしれない…。 でも、颯真さんは微笑んで嬉しそうだった。 「音楽何が好き?」 「ボクより、颯真さんが好きなの知りたいです」 「じゃあクラッシックね」 「えっ…」 ボクは一瞬困惑した。 クラッシックなんて聴いたりしていない…。やっぱり大人って違うのだろうか? すると颯真さんはニコニコ笑いながらボクを見た。 「なーんて、ほんとはGRe〇〇eNだよ!」と言ってボクの困惑顔を笑った。 ボクは颯真さんの笑顔が嬉しくて笑った。 颯真さんはドライブデートらしく、流行りの曲を用意してくれていた。 窓から入る爽やかかな夏の北海道の風はボクの緊張を解き、軽やかな笑顔を引き出してくれた。 目指すは札幌から約2時間、北海道のデートの定番であり、獣医師を志す彼らしく旭山動物園だった。ボクも生き物が好きで、とても楽しみだった。 そして、運転する姿がやっぱり大人で格好良くて、ドキドキした。 運転する横顔を見ては隣に居ることだけでも夢みたいだった。そして、この現実を噛み締めた。何度でも嬉しかった。 やっぱりもう憧れとしてではなく、颯真さんを一人の男性として好きだと実感した。 動物園は本当に楽しかった。 どうぶつ達のこと、自分はどんな獣医師を目指しているのかを熱く語る颯真さんは生き生きとして楽しそうで、優しさに溢れていた。 ボクは人間のお医者さんになりたいと常々思っていたけれど、颯真さんの心に触れて同じ獣医を目指す気持ちが
Last Updated: 2026-06-29
Chapter: karte 2 : 秘密は、休憩時間に ②
2 休憩時間、自宅へ帰った二人は慣れた手つきで残ったご飯をチャーハンにし、昨晩残しておいた野菜たっぷりのスープを添えた。 チャーハンの香ばしい香りが食欲をそそる。 「いただきます」 二人はいつものように軽く手を合わせて言った。 「うん、やっぱり先生の味付けは最高です」 碧玖はにこやかにチャーハンを口に運ぶ。 「碧玖ちゃんの、お口に合って何よりです♡」 颯真は嬉しそうに、パクパクと美味しそうに食べている碧玖を見つめた。 午前の疲れた様子の碧玖が元気を取り戻したのを見て安心した。 「食べ終わったら、少し昼寝しようか」 「そうですね。寝不足解消しないと、午後の診察に影響しては困りますね」 昼食後、手早く食器を洗って片付けを終わらせ、歯を磨いて二人はベッドルームへ向かった。昼間でも仮眠がとりやすいように遮光カーテンを付けていた。 二人の身長に合わせて選んだベッドは海外製の大きいベッドだった。 190cm近い二人でもゆったりと横になれる。 颯真が腕を広げると当たり前に碧玖はすっぽりとそこに入り込んだ。パズルのピースが|嵌《はま》るように居心地のいい、一番安心するこの場所でまた元気を取り戻す。 二人微笑みあってキスを交わした。颯真の男らしい落ち着いた香りに包まれ碧玖は眠りに就く。 ボクがまだ高校生で寮に住んでいた頃は、シングルベッドから足がはみ出さないように身体を小さく折り曲げて横になっていた。ボクはまだこんな落ち着く場所を知らなかった。寝むれない夜はそのままベッドから見える窓の外を眺めていたのを思い出す。 先生を想ったあの頃の夜空は、ボクの一番切ない想い出かもしれない…。 あの頃、ボクは——。 3 お見合いから数週間経っていた。 消灯の終えた部屋でボクには小さいベッドに寝転がり、カーテンを少し開けて夜空を眺めながら颯真さんを想い出していた。今となってはお見合いで逢えた時間は幻になりつつあった。しかし、あれからボクの心には颯真さんが想い出されてならなかった。 ずっと憧れていたあの人と、ボクは結婚の約束をした。その現実をまだ受け止めきれていないかもしれないが、明らかにボクの心は恋というものを知ってしまった。 彼を想い出す度に胸の奥が熱くなりキュッと苦しくなる。苦しく切ないのに、嬉しさと
Last Updated: 2026-06-29
Chapter: karte 2 : 秘密は、休憩時間に ①
1 穏やかな青い海、波の音と潮風が通る道。僕らの毎日がここにある——。 ここは『あおぎり動物病院』。兄弟二人で開業している。 「|碧玖《りく》の縫合は本当にいつも綺麗だね。これならたまちゃんの傷跡も残らないんじゃないかな」 「上手く出来て良かったです。最近先生が教えてくれたことがしっかり身に付いたと思います」 「碧玖謙遜しすぎだよ。前からキミは上手だったよ。もっと自信持って、ね?」 |颯真《そうま》が碧玖の背中をポンと優しく叩きニコリとすると、碧玖もニコリと返した。 「…、碧玖喉乾いたんじゃない?良かったらこれ飲んで」 そう言って颯真は自分の飲みかけのコーヒーを手渡した。なんの躊躇も無く碧玖はコーヒーを口にした。 目の前で当たり前に繰り広げられるそのやり取りを、片付けをしながら看護士ユリちゃんは空気の如く目にしていた。ユリちゃんは、猫のたまちゃんの術後チェックに部屋を出た。そして「一体何を見せられてるのかな」と、呆れたように小さく溜息をついた。 ユリちゃんは副院長があんな風に自然な可愛い笑顔を向けるのは、院長しかいない事に気付いていた。それに当たり前に飲み物をシェアするのもだ。 部屋に二人きりになると、急に甘い空気に包まれた。 「碧玖お疲れ」 そう言って颯真は碧玖を優しく抱擁した。 「うん、ちょっと疲れました…」 「昨夜は夜更かししてしまったし、寝不足もあるかな…?」 「はい、それもあると思います…」 碧玖は身体を預けるように颯真に寄り掛かった。 *** 「怪しい!!断じて怪しい !!」 「どうしたんですか?ユリちゃん先輩?」 動物病院休憩室にて、看護士ユリちゃんとその後輩看護士ナミちゃんはお昼休憩中だった。 「院長と副院長!私のセンサーにめちゃくちゃ引っ掛かるの!」 「センサーですか?」 「そう、この腐女子センサーにっ!」 「先輩BL好きですよねー」 「ナミちゃんは何とも思わないの?あの二人を見ていて!」 「…あー、とっても仲良いなぁって思ってますよ。距離近いなーとか…??」 「ナミちゃんは先ず勉強のためにこれを読んで!」 そう言ってマンガ本を手渡した。 「…兄弟BL…」 「そう!」 ナミちゃんはパラパラとお弁当片手にその場で読み出し
Last Updated: 2026-06-29
天の川を越え、君と恋を結ぶ

天の川を越え、君と恋を結ぶ

幼馴染みだった夕真(ゆうま)と星(せい)の恋になるまでの、それぞれの想い。 そして、七夕浴衣デートから帰宅した2人のすれ違いと初めて結ばれる夜♡を描きます。 ユウ×セイ よろしくお願いします! 夕真(ゆうま)20歳大学3年生 178cm 控えめで優しく星を見守るタイプ 星(せい)18歳専門学校1年生 165cm ちょっぴり生意気で夕真には甘えた
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Chapter: 【七夕祭り編】秘密の願いは、天の川の下で ④
「セイ、喉乾いたでしょ?」 そう言って瓶のラムネを渡した。 「ラムネなんて懐かしい!」 「でしょ?」 縁台に座って一緒に飲んだ。 ラムネのビー玉が瓶の中で転がっては、コロコロカラカラと懐かしく鳴った。 「小さい頃さ、やっばりお祭りでユウと一緒にラムネ飲んだよね」 「うん、まだセイが小学生の頃に、近所のお祭りにセイと僕の家族みんなで行ったよね」 「オレ、中学生くらいになってから、お祭りは同級生と行っちゃってたな…。今思えば、一緒にユウと行けばよかった。もっとユウとの時間を大切にすれば良かった…」 「…でもそういう時間があったからこそ、今こうしてずっと一緒にいたいって、強く思えるんじゃないかな…」 「うん、そうかも…」 またラムネの瓶が傾き、カラカラコロコロとビー玉が鳴った。 同時に|夕真《ユウマ》はゴクッと喉を鳴らし、その喉仏が男らしく上下したのを星《セイ》は見逃さなかった。 その喉から発せられる、夕真《ユウマ》の優しい低い声が星《セイ》は好きだった。 星《セイ》はいつの頃からか自分よりも随分背が高くて、男らしい夕真《ユウマ》を好きになっていた。 長く好きと気付かなかった自分に、星《セイ》は今になってもどかしささえ感じていた。 もし早くに自分の気持ちに気付いていたら、夕真《ユウマ》とはもっと前から恋人になっていた
Last Updated: 2026-09-20
Chapter: 【七夕祭り編】秘密の願いは、天の川の下で ③
少し経つと神社の境内の灯篭に明かりが灯った。 「…ユウ、まだかなー…」 夜の神社で灯篭の灯りだけが頼りなのは、大人になったとはいっても心細くなってくる。 星《セイ》は1人になってしまったあの頃を思い出していた。 それは星《セイ》が高校1年の終わりだった。 夕真《ユウマ》は大学に進学することになり、一人暮らしを春から始めることになったと知った頃だった。 その時は、ちょっと寂しいくらいに思っていた星《セイ》だった。 しかし、別れが近づくにつれ、夕真《ユウマ》はこのまま大学生になり、社会人になり、自分の前から消えてしまうのかもしれないという、そんな寂しさと不安が募った。 いつもそこにいるはずの夕真《ユウマ》が…。 あの長いトンネルみたいだった日々があって気付いた強い気持ちがある。乗り越えたからこそ、今の夕真《ユウマ》と一緒にいれる未来があった。 そう、もう絶対に離れないように──。 ふと我に返った星《セイ》のすぐ近くに、こじんまりと飾られた七夕飾りが目に入った。 片足は素足のまま庇って歩き、飾られた笹の脇にある机の上の短冊とペンを手に取った。 一度呼吸を整え、迷いなくサラサラと願い事を書き込むと、笹の葉の一番高い所に黄色の短冊を下げた。 そこにはさっき星《セイ》が神様に願ったことと同じ事が書かれていた──。 『これからもこの幸せが続きますように 星《セイ》』
Last Updated: 2026-09-20
Chapter: 【七夕祭り編】秘密の願いは、天の川の下で ②
祭りの喧騒から少し離れ神社に着くと、人は疎《まば》らで時々涼やかな風も吹いていた。 「…はぁ、人混みは疲れるから、こういう方がオレたちにはいいね」 「うん、そうだね」 参道を抜け清めてから、参拝する。 パンッ!パンッ! 二人は綺麗に柏手を揃えて打ち、手を合わせて祈った。 「…セイは何をお願いしたの?」 「願い事言っちゃったら、叶わないんじゃないの?」 「あ、そうだよね」 「そ!…でもユウがお願いしそうなことは分かるけどね」 「…うん、僕もセイがお願いしそうなことは分かるよ」 「そうそう、S〇itch2が、当たりますようにってね!アハハ!」 「…うん、ふふふ」 参道を戻ろうと歩き始めると、星《セイ》が前のめりに転びそうになった。夕真《ユウマ》に腕を掴まれて事なきを得た。しかし、下駄の鼻緒が切れていた。 「…うわっ、マジかー…」 「僕の肩に捕まって」 星《セイ》は夕真《ユウマ》の肩に手を掛けた。それだけでバランスを取るには足りず、すかさず夕真《ユウマ》は星《セイ》の腰に手を回し、抱き寄せるようにしっかりと支えた。 今となっては、この感じるお互いの体温が、ただの幼馴染みとは違う物になって、嬉しさと恥ずかしさが混在する。星の身体は一気に火照った。 夕真《ユウマ》は星《セイ》の下駄をもう片方の手に持ち、身体を支えながら歩いた。 男とし
Last Updated: 2026-09-19
Chapter: 【七夕祭り編】秘密の願いは、天の川の下で ①
街には少し早くも感じる風鈴の音が涼しげに心地よく耳に響き、七夕飾りが街を彩っている。 星《セイ》と夕真《ユウマ》は二人で浴衣を着て、夕涼みがてら七夕祭りにきていた。 露店のたこ焼き、焼きそば、いちご飴、星《セイ》は目に付くものを片っ端から口にしてみる。夕真《ユウマ》はそんな星《セイ》を見て、微笑んで幸せに浸っていた。 「ユウ!これやりたい!」 星《セイ》は夕真《ユウマ》の2歳年下。小さい時にはもうお隣さん同士の幼馴染みだった。 お腹もだいぶ満たされた星《セイ》は、射的にチャレンジしてみることにした。 一つ気になる景品を見付けたからだ。 射的用の銃を台に立て、銃口にコルクをギュッギュッと詰める。 やる気満々に浴衣の袖を肩までたくし上げて銃を構えた。細い腕にも筋肉の陰影が、男らしく夕真《ユウマ》の目に映った。 「構えは決まってるよ、セイ」 「『構えは』って余計!見てろ、落としてやるから」 小さなプラスチックのクマの貯金箱の横にある、1等と書かれた紙が貼られただけの、四角い置物に狙いを定めた。 パンッ! 威勢のいい乾いた音が響いた。 コルクの弾はかすったけれど、びくともしなかった。 その後も、全てのコルクを使い切ったが、何度かすろうが、当たろうがびくともしなかった。
Last Updated: 2026-09-19
Chapter: 第5話 天の川を越えて ④最終話
夕真は星の腰を引き寄せ、自分の昂《たかぶ》ったモノを星の窄まりにあてた。 気持ちを抑えながら慎重に星の中を押し広げ、挿《はいっ》ていく。 星は内蔵を押し上げられるような苦しさと、夕真の全てを受け入れるこの瞬間に喜びを感じていた。 「あああぁっっ…!!」 「セイ、大丈夫?痛くない?」 星は苦しそうな、でも、それでいて嬉しそうな表情でコクコクと頷いた。 「…セイ、痛いんじゃ…」 夕真はそう言って、腰を引こうとした。すると星は頭を横に振りながら、夕真の腰に脚を巻き付け、しがみつくように抱きついた。 「わかったよ、セイ」 夕真はそのままゆっくりと星の奥へと力を込めた。 「あぁっっ…、ユウ…、あんンッッ…っ」 「…ん、はぁっ、全部入ったよ、セイ。…セイの中、熱い…」 「…うっ、んっ…、嬉し…、ずっと、こうなりたか…った…」 星は幸せを噛み締めるように微笑んで、涙を流した。 夕真はその涙を受け留めるように頬にキスをした。 少しずつ夕真が動き出すと、星はぎゅっと枕の端を掴んだ。夕真はその手を取って、指先を絡ませ強く握った。 夕真は昂《たかぶ》りのままに星に腰を打ち付ける。星の屈曲した膝下はそれに合わせて宙に揺れた。 「あっ、あっ、あんっっんっ、ユウッ、ユウッ…んっっ」 顔を歪ませ、うわ言のように何度も自分の名前を呼ぶ星が堪らなく愛おしかった。 夕真は抽挿を繰り返しながら、星のモノを握って扱い
Last Updated: 2026-08-06
Chapter: 第5話 天の川を越えて ③
*** 「……セイ、好きだよ」 白いシーツの上に、白地に青い花の柄の浴衣がバサリと広がった。 その浴衣は星によく似合っていて、深い紺色の帯が星の身体の細さを強調していた。 昔から小柄で細身の星だった。それでも今はもう、夕真が思っていた守られるような小さきものではなかった。 夕真はその華奢な身体を抱きしめた。壊れてしまわないか不安だったのは、きっと自分の心だった。 夕真は何度も抱きしめては、深いキスをした。今までとは違う、男としての気持ちでだった。 星も応えるように甘く潤んだ瞳を夕真に向けた。 お互いの熱く上気した身体が、浴衣の生地を通しても感じられた。 「…セイ、僕のものに…、僕の人になって…」 「人?へへ、ユウらしいね」 「セイのこと、全部知りたい、全部欲しい…」 「…うん、全部ユウのものにして…」 星は夕真の首に腕を回した。 夕真は星の唇の端から舌を差し込み、優しく丹念に舌を絡め、星のはだけた浴衣の併せに手を忍ばせた。 星の肌の熱さと滑らかな感触が、緊張と期待に夕真の鼓動を速めた。 星は初めて自分に向けられる夕真の欲を孕んだ眼差しだけで、血が沸き立つような快感を覚えた。 そして、掌にツンと星の胸の尖りが触れた。指の腹で優しく転がすと星の身体が小刻みに震え、切なそうに目を細めた。 星の頬から首筋、鎖骨へと食《は》むように唇で辿りながら、薄く平らな胸の先端を指先で摘んでは弾く。 「…うう…んっ…」 星は堪えきれず吐息と共に声を漏らした。 夕真の優しい唇、指先から、星への愛おしさが溢れていた。 「…ユウ、熱い…」 その言葉に夕真は星の浴衣の併せを広げ、浴衣の袖から片腕ずつ出してやった。 カーテンの隙間から、星空の明るさが差し込み、星の身体を美しく晒《さら》した。 少し恥ずかしそうに肩を竦《すく》めて目を逸らした星が可愛かった。 そっと脇腹を撫で、熱を帯びたように綺麗に色付いた胸の飾りを口にした。 「…あ…、ああぁ…」 星は手の甲を唇に押し当て、身体を震わす。 小さな粒を舌で転がし、つぅと吸ってみる。それだけで、身体を跳ね上げ、可愛い甘い声が漏れる。 星は初めての感覚にもう溶けてしまいそうだった。 星が悶えるたびに、だんだんとはだけた浴衣の裾は広がり、たくし上が
Last Updated: 2026-08-05
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