تسجيل الدخول幼馴染みだった夕真(ゆうま)と星(せい)の恋になるまでの、それぞれの想い。 そして、七夕浴衣デートから帰宅した2人のすれ違いと初めて結ばれる夜♡を描きます。 ユウ×セイ よろしくお願いします! 夕真(ゆうま)20歳大学3年生 178cm 控えめで優しく星を見守るタイプ 星(せい)18歳専門学校1年生 165cm ちょっぴり生意気で夕真には甘えた
عرض المزيد*** 「好きってこと!」 夕真《ユウマ》はこの星《セイ》の言葉と、唇に残った星の柔らかな唇の感覚に立ち尽くした。 走り去った星の後ろ姿を追うことも出来なかった。 衝撃に時間は過ぎ、夕真は結局、心の整理が出来ないままひとり部屋に入った。 ただ、夕真自身意外だったのは、星の唇に、嫌悪感も違和感も感じなかったことだった。 この日から、夕真の頭の中は星のことでいっぱいになった。 夕真は星のことを今まで恋愛感情でなんて考えたことが無かった。星は隣に住んでる幼馴染みで友達で、弟みたいな存在だった。自然と小さな頃から大切にしていた。 星は2歳下で、その学年の中でも細身で身長も小さい方だった。でも思ったことはハッキリ言ってしまったり、思い付いたら行動に移してしまうタイプで、慎重な夕真からしたら危なっかしくも見えた。 そんな星が小3の頃、一緒に遊んでいたいつもの公園で、星がジャングルジムのテッペンに登った時だった。 夕真も登ろうと足を掛けていた。 星はテッペンで座るのかと思ったら、バランスを取りながら立ち上がった。 「ねぇユウ、見てて!ここから飛ぶから!」 夕真が止める間もなく、星は大きく飛び立った。 太陽を一身に受けた星の影が羽を持ったように夕真の上を一瞬掠めた。 ジャングルジムの端を越え、綺麗な弧を描いて地面に着地した。かと思った瞬間、星はよろける様に倒れた。 夕真は慌てて駆け寄る。 「セイッ!!」 「痛ってぇっっ!!あーーっっ」 星は右足に手を添えて顔を顰《しか》め、痛みに動けなくなっていた。 「セイ、大丈夫!?足動かせる?」 星の顔を覗き背中をさすった。 「痛いぃ〜っっ!」 それは最初の声とは微妙に違って、夕真に訴えるような言い方にも聞こえた。 「セイ、痛いよな…、大丈夫大丈夫…」 夕真は小さな声で繰り返しながら、優しく背中を何度もさすった。 少しすると、痛みで硬直していた身体の力が抜けてきたのがわかった。表情も幾分和らいだ。 「セイ、いい子、大丈夫大丈夫…」 「…うう…っ、そんなんで痛いの治るわけ無いだろっ」 「ごめん、でも、さっきより大丈夫そうだよ」 「ずっと痛いしっ!」 星は不貞腐れたみたいな顔で涙を零した。 夕真は星を膝に乗せ
高校3年の二学期の終わりには、出席日数にしても、成績にしても特に問題なく卒業出来るラインになっていた。 高校の三学期は自由登校日がほとんどになるから、卒業確定と言えるくらいだった。 星は夕真が年末に実家へ帰ってくるのなんて待つことが出来なかった。二学期修了式が終わると、学校から飛び立つように夕真の元へ向かった。 部屋の前まで着いたはいいけれど、夕真は留守で、LINEも既読にならなかった。 12月の寒い中、バカみたいにドアの前に膝を抱えて座って待った。昼間の太陽はいつしか消え、アパートの共用廊下の電気が点いた。寒さにうずくまるように、一段と身体を小さく丸めた。 タンタンと、外階段を上がる音がした。また違う部屋のドアが空くんだろうと思っていた。 「──!セイ!?」 頭をムクっと持ち上げると、必死な顔で夕真が駆け寄って来ていた。 「ユウ、遅い!マジで遅い」 勝手に待っていたのに、怒ったように夕真に訴えた。 「ごめん、バイトだった。こんな所で待たなくても…」 「うるさい!ユウに会いたかったんだ」 「そっか、分かった。ほら、立って。ああ、こんなに冷たくなって…」 夕真は星の手を取って立ち上がらせた。 星は夕真の手の温かさに急に泣きたくなった。 「ほんとにヤダ…、離れてるとか、ほんとにヤダ…」 しかめっ面で堪えている顔には、勝手に涙が流れていた。 「…セイ、ごめん…」 夕真は小さな頃の星を慰めた時のように抱きしめた。 しかし、星はその手を拒否するように振りほどいた。 「オレ、もうそういう子供じゃないし…」 「ごめん、そうだよな」 夕真はどうしたらいいのかとオロオロとした様子で困った顔をした。 「…わかんないよな、こんなの…」 星は独り言みたいに呟いた。 そして、溢れるように声に出した。 「ユウ、こんなの…、こんなのわかんないかもしんないけど。オレ…、オレ、ユウのことずっと好きなんだよっ…」 「…え…」 星は言い切るとサッと下を向き、涙を掌で強く拭った。 夕真は一瞬止まり、星からの言葉の意味を受け止められないままでいた。 「ユウはそうだよね…。オレは弟みたいなもんだよね…」 星は夕真をぐっと見つめた。 「オレは、恋愛感情として好きだからっ。こういうこともしたいっていう、好き!」
それから星は何か理由を付けては夕真の一人暮らしをしてるアパートへ遊びに行った。 最初のうちは月数回、そのうちに帰るのが大変と言って1泊…、2泊…。入り浸ることが増えた。 そんな積み重ねに、夕真が呆れたみたいに何度か星に注意した。 「いくらなんでも学校まで休んでここに来るのはダメだよ。折角入れた高校なのに、出席日数足りなくて中退になんてなったらどうするんだよ」 「…だって、ユウといるのが楽しいから…」 そして高校2年の秋に最後通告のように夕真ははっきりと星に告げた。 「セイ、もううちに来るな。この前セイのお母さんから電話が来たんだ。セイが学校を辞める気かもしれないって心配してた」 「え!母さんから?マジ余計なことしてんなよー」 「僕も今まで言い方が甘かったよ。もしセイが学校を辞めるなり、中退にでもなったら僕の責任だ。セイの兄代わりみたいなものなのに、中途半端な対応をしてしまってた」 「ユウのせいじゃないじゃん。ボクが悪かったし…。次からちゃんと土日とか、長期休みの時だけしか来ないからさ」 「それ、何回も話したけど結局出来なかっただろ。ちゃんとケジメ付けて、セイのお母さんにも安心してもらわないと。信用無くしてしまったら、それこそまともに会えなくなるかもしれない」 「それっていつまで…」 「それは、やっぱり、セイの高校卒業が確定するまでがいいと思う」 「そんなっ…。一年以上ある…」 「何かあったら電話もLINEもあるよ。長期休暇には実家にも少し帰るし、その時会えるよ…」 ここから星は高校卒業を目指して頑張った。 会えない時間に、辛い時、苦しい時、泣いてしまいそうな時、そんな素振りも見せないノーテンキなLINEスタンプを送ったり、「あのアニメ面白かったよ」なんて、なんの気無しの痩せ我慢なLINEを送った。それでも夕真と繋がっていると思うと、心の支えになった。 長いトンネルような日々に夕真への想いは積み上がり、圧縮されるみたいに重さを持った──。
*** 星《セイ》が夕真のことを恋愛感情として好きだと気付いたのは、高校1年の終わりだった。 それまでの夕真は、星の記憶の中で一番古い時からずっといる。 2歳年上の、隣に住んでる幼馴染みで、友達で、優しいお兄ちゃんだった。 星が中学に上がるまでは、よく一緒に遊んで貰っていた。 星は中学生になると、夕真との身長差も、やけに大人っぽく見える佇まいも、たった2歳差のはずだったのに、別の世界で生きているみたいに思えた。 そして、中3で勉強も出来る真面目な夕真と、勉強も出来なければ、学校さえも面倒だと思ってしまう自分に大きな違いを感じていた。 それでも夕真は、たまに顔を合わせると、変わらない笑顔で星に話しかけてくれていた。 しかし、星は何もかもが上手くいかない自分、何も出来ない自分を夕真に見られたくなかった。ちょっと悪い仲間とつるんで現実を遠ざけた。 卑屈になって、夕真の優しさも笑顔も受け止めることが出来なかった──。 結局星は格好悪いことに、自分が中3になって、高校へ進学することが厳しいと現実を突き付けられた時に、急にどうにかしないといけないという気持ちが湧いた。 星はその日夕真が帰るのを待って、いきなり夕真に「高校に行きたい」と言った。 夕真は真剣に相談に乗って、その日から毎日のように、星の勉強をみてやり、何とか高校進学することは叶った。 そこからは時折星は夕真の部屋へ押しかけては、何でもない楽しい時間を過ごした。 そんな穏やかなはずの高校一年の終わりだった。 夕真は大学に進学することになり、一人暮らしを春から始めることになったと知った。 その時は、ちょっと寂しいくらいに思っていた星だったが、別れが近づくにつれ、夕真はこのまま大学生になり、社会人になり、自分の前から消えてしまうのかもしれないという、そんな寂しさと不安でいっぱいなった。 夕真の引越しを見送った肌寒かった春の日、思い詰めた自分の心の苦しさの正体が、『夕真が好きだ』ということだと星は気付いた。