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第331話

Auteur: こふまる
夕月は顔が火照るのを感じ、声を漏らすまいと下唇を噛んだ。心の中では既にプレーリードッグのような悲鳴を上げていた。

涼は切れ長の目を細め、青筋の浮き出た冬真の黒い顔つきを愉しげに眺めていた。

「どうした橘社長?笑顔が消えたね。そんなに笑いが苦手かい?」

夕月は目眩のせいかと思った。視界の中で冬真の体が激しく震えているように見えた。

自分の元夫は、まるで強烈な衝撃を受けたかのようだった。

一方、天野は至って冷静だった。世間知らずの彼は、こんなものの存在すら知らなかったのだ。カルテを片手に、もう片方の手でスマホを取り出し、「ピアスの効果」を検索し始めた。

なるほど、そんなところに入れるのか!

こんな使い方があったとは!

容姿も資産も既に並外れているのに、これほど恵まれた男がまだこんなに努力するなんて!

検索を終えた天野は、新たな尊敬の念を込めて涼を見つめた。

この探究心は、さすがに見習うべきものがある!

その時、冬真が罵声を上げた。「このクソ野郎!」

冬真は涼を軽蔑するような目つきで言い放った。「まさか桐嶋グループの跡取りが、風俗のホストみたいに瑪瑙なんか入れて女を喜ばせるとはな!」

冬真の罵倒に、涼の笑みはより一層深くなった。

「嫉妬か?お前には夕月を喜ばせる資格すらないのにな」

冬真の心臓が大きく跳ねた。全身に衝撃が走る。まるで体内で核爆発が起きたかのように、その衝撃波が魂まで破壊しようとしていた!

涼の笑顔が、意地の悪い勝ち誇りに満ちているように見えた。

冬真は喉から軽蔑的な冷笑を漏らした。「私が離婚しなけりゃ、お前の出番なんてなかったはずだ」

涼はウインクを投げかけ、極悪な笑みを浮かべた。

「やっと俺の番が来たってわけさ。ありがとな、橘・社・長~」

冬真は氷の穴蔵に突き落とされたような感覚に襲われた。

全ては自業自得だ!

夕月を疎かにしたのも、夕月の愛情を使い果たしたのも、全て自分だった。

誰よりも痛いほど分かっていた。夕月を遠ざけたのは、紛れもなく自分自身の行為だったことを。

天野はまだ半信半疑といった様子で尋ねた。「男性器にピアスを入れるために泌尿器科に行ったのか?」

「こういう手術は信頼できる医者にしかやらせない。今日は経過確認だ。もうほぼ回復してるよ」

涼は胸を張って答えた。

天野は眉をひそめ、小声で言
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