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第29話 献上され、巨人族の王の側室に

last update Last Updated: 2025-05-07 21:41:25
巨人族の国

そこは冬の季節の長い雪深い国だった。

雪の中にある巨人族の城は不思議な城だった

巨人の巨大な骨を組み立てたもの

大地にそそり立つ大きな骨を彫り上げて城にしたのだという

巨人の骨は、先祖たる巨人のものだという

確かに背の高い者も、大柄な者も多く、かなりの長身で10メートルもの背丈の者もいた

しかし、今でこそ、人族とそう変わらない姿になったが

遥か古代、大昔は、山程の大きさの身体の者が多くいたという

骨の中の城の階段を歩き、謁見室で巨人族の王との体面

「ふむ、献上された、この女か、悪くないな」

「今晩、楽しませてもらう、羽琴の名手とも聞いたぞ、エリンシア」

巨人族の王はエリンシアを大変、気に入り、自分の側室にした。

「美しいオッドアイの瞳だ、楽しませてもらう、くくっ」巨人族の王は 楽し気に言う

そうして、巨人族の王は毎晩のように、エリンシアの身体を抱きながら

「羽琴の演奏も素晴らしいが、そなたは美しい 白磁の肌にオッド・アイの瞳に金の髪に、美貌とその身体」

「これ程良い美しい女は始めてだ、黒の貴族の娘も悪くないが」

玩具にされて

哀しみでエリンシアの瞳には涙が浮かぶ。

巨人族の言葉はまだ分からなかったが

王が自分を気にいってる事はよくわかる。
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  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   第25話 王と王妃のさだめ

    王妃達とエリンシアが中庭でおた一時を過ごしていた。「まあ、また私に魔法画の赤い子供の竜が懐いてるわね」王妃の肩に赤い子供の竜が、とまったり、膝で一回転をしたりする。そして、傍にあるサクランボのパイをかじったり!その後、アリアン王妃をとても、嬉しいそうに見ている赤い子供の竜「本当ね、御母様」ティンタル王女が笑う「……」そんな様子を見ながら、赤い子供の竜が黒の王子アーシュランがモデルだと言う話を思い出すエリンシアもしかして、王子は王妃を慕っていたのかも知れない。魔法画の白鳥の方は、まだ幼児の弟王子アジュアリに寄り添うアジュアリ王子は嬉しそうに笑っている。「うふふ、お母しゃま、エリンシア」「あら、何かしら?」「なんですの、王子様?」ジッと二人を見て笑った後で、アジュアリ王子は金色の瞳を輝かせて一言。「大好き、お母しやま、エリンシア」「エリンシア、大好き、ずっと一緒」「あらまあ、うふふ、アジュアリ王子はエリンシア姫が大好きですって」アリアン王妃「ま、光栄ですわ、王子様」「風が強くなってきたわ、部屋に行きましょうか?エリンシア姫、また、後で、羽琴の演奏をお願いするわ」「はい、王妃様」◆ ◆ ◆執務室に王とリュース公がいた。「二カ月以内に、エリンシア姫と娘のティを預かってくれ、リュース公」王青く、硬い表情でリュース公は頷く「…運命の時間ですか?」「ああ、どうやっても抗えない、エリンシア姫とティ、ティンタル王女だけは時期を外せば逃れ、助かる」「王」「私と王妃とアジュアリ王子は…仮に王都を離れても、殺される運命だ」「私の王、アージェント、アージェン」「ふむ、その呼び方は、そなたリュース公リジャイアスが昔、女性体で私の恋人だった頃の呼び方だ」「私は両性体で、兄が亡くなりましたから、今では男性体になりましたから、可愛い娘もいますので」 「今は私は、昔、以前の女性体でも、恋人でもありませんが、家臣として、友人として、どれ程、貴方が大事かは分かるはずです」「リジャイアス」彼の頬、浮かんだリジャイアスの涙を指先で拭う◆ ◆ ◆執務室の外、廊下に通りすがりのエリンシアがいた。聞こえてきた会話、ドアが少し開いていたのだった。「王、貴方は狂王の父親から、私を守ってくれた」「ああ、父親、あの男は戦上手であったが、残忍で、狂っ

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