日々は 残酷に過ぎ去り・・時だけが流れて行く…それは果てなく思える程に寒い、凍えるような1年の半分は冬冬の国、巨人族の国だが、ある時、突然に変化は起こった。アーサーが戦で 大きな手柄を立てたのだ「褒美は?何でも願いを叶えるぞ」王は言うその言葉に彼は 思いきって 願いを言った「王の側室白の国のエリンシア姫を私に下さい!」しぶしぶならがら、王はアーサーの願いを叶えた。エリンシア姫の部屋に向かい そして、ドアも叩き部屋に飛び込む「エリンシア姫!」嬉しそうに彼は彼女を抱きしめるそして、今、戦で手柄を立て、その褒美として 王がエリンシアをアーサーの花嫁になる事を許したのだと話した「エリンシア姫・・私の花嫁になってくれますか?それとも 白の国に帰りたいなら、エリンシア姫」そう言いかけたアーサーの口を塞ぐように エリンシアは アーサーにくちずけをした。アーサーは 両親と弟を流行り病で亡くして 今は彼に仕える執事や召使いの数人と暮らしている。エリンシアは彼の元に嫁ぎ 数人の友人達と 子供のいない優しい叔父夫婦に見守れてささやかな結婚式を行うエリンシア姫の事は誰もよく知っているのだが誰もその事を口にせず 優しく アーサーとエリンシアの幸せを祝福してくれたその夜、彼と結ばれ穏やかな日々が訪れる…訪れるはずだった。
日々は 残酷に過ぎ去り・・時だけが流れて行く…それは果てなく思える程に寒い、凍えるような1年の半分は冬冬の国、巨人族の国だが、ある時、突然に変化は起こった。アーサーが戦で 大きな手柄を立てたのだ「褒美は?何でも願いを叶えるぞ」王は言うその言葉に彼は 思いきって 願いを言った「王の側室白の国のエリンシア姫を私に下さい!」しぶしぶならがら、王はアーサーの願いを叶えた。エリンシア姫の部屋に向かい そして、ドアも叩かず部屋に飛び込む「エリンシア姫!」嬉しそうに彼は彼女を抱きしめるそして 今 戦で手柄を立て その褒美として 王がエリンシアをアーサーの花嫁になる事を許したのだと話した「エリンシア姫・・私の花嫁になってくれますか?それとも 白の国に帰りたいなら、エリンシア姫」そう言いかけたアーサーの口を塞ぐように エリンシアは アーサーにくちずけをした。アーサーは 両親と弟を流行り病で亡くして 今は彼に仕える執事や召使いの数人と暮らしている。エリンシアは彼の元に嫁ぎ 数人の友人達と 子供のいない優しい叔父夫婦に見守れてささやかな結婚式を行うエリンシア姫の事は誰もよく知っているのだが誰もその事を口にせず 優しく アーサーとエリンシアの幸せを祝福してくれたその夜、彼と結ばれ穏やかな日々が訪れる…訪れるはずだった。
絶望の中、その後のある日の昼間近くだった部屋でうたた寝していると部屋のドアをたたく音王の呼び出しだろうか? 身をすくませるエリンシア現れたのは、赤毛で優しい気な瞳の青年が立っていた。「はじめまして、白の国のエリンシア 私は王の従弟で、アーサーといいます」すらすらと流暢な黒の国の言葉で話かけられる。「・・・」軽く頭を下げて、会釈するエリンシア「ああ、知ってます、声が出ないそうですね」とアーサー「私は以前、黒の国に商人に化けて、潜入した事があって、黒の国の言葉ならよくわかります」 「貴方に、この巨人族の言葉や文字を教えるようにと、王に頼まれました」「・・・・」「早速、今日から初めてもいいですか?姫?」頷くエリンシア◆ ◆ ◆赤毛のアーサー、彼は毎日やって来て彼は優しく、接してくれた アーサーは、それは、ゆっくりとしたペースで言葉や文字を教えるのだった。覚えの早いエリンシアは 瞬く間に 巨人族の言葉や文字を習得した。ある日、アーサーは言った「もう、貴方は、完全に習得したようですね、教える事はありません」そう言って彼は、微笑してその笑顔に、エリンシアは懐かしい記憶が蘇る彼のその優しい瞳は 恋人だった男 エイルの実の父親を思い出させたエリンシアの瞳からは涙がこぼれ落ちる。もう、彼は来ないのだ…優しい、その気質は愛したエイルの父親に似ていた。エリンシアの涙に彼はそっとエリンシアの肩に手をおき、優しく抱きしめる。「貴方の事を好きになってもいいですか?エリンシア姫」エリンシアは頷き 赤毛の優しい青年、アーサーは涙を流すエリンシアにそっとくちずけをする「また、理由を作って、会いに来ますエリンシア姫」部屋から彼が出てゆき、そうして、エリンシアは一人残される夜には また あの巨人族の王に呼び出されるのだエリンシアは涙を流しながら 再び彼に、アーサーに会えるのを祈るような思いで待つ事にした。ああ、白の国にいるあの懐かしい人達はどうしているだろう義兄様、まだ少年だったリアン様そして、愛しい我が子 エイル、私の産んたエルトニア◆ ◆ ◆それに・・テインタル王女この巨人族の国にいるというのに どうしているのか 全くわからない・・会いたい・・どうしているだろうか? 無事なのだろうか?どうか、どうか、ティンタル王女
巨人族の国そこは冬の季節の長い雪深い国だった。雪の中にある巨人族の城は不思議な城だった巨人の巨大な骨を組み立てたもの大地にそそり立つ大きな骨を彫り上げて城にしたのだという巨人の骨は、先祖たる巨人のものだという確かに背の高い者も、大柄な者も多く、かなりの長身で10メートルもの背丈の者もいたしかし、今でこそ、人族とそう変わらない姿になったが遥か古代、大昔は、山程の大きさの身体の者が多くいたという骨の中の城の階段を歩き、謁見室で巨人族の王との体面「ふむ、献上された、この女か、悪くないな」「今晩、楽しませてもらう、羽琴の名手とも聞いたぞ、エリンシア」巨人族の王はエリンシアを大変、気に入り、自分の側室にした。「美しいオッドアイの瞳だ、楽しませてもらう、くくっ」巨人族の王は 楽し気に言うそうして、巨人族の王は毎晩のように、エリンシアの身体を抱きながら「羽琴の演奏も素晴らしいが、そなたは美しい 白磁の肌にオッド・アイの瞳に金の髪に、美貌とその身体」「これ程良い美しい女は始めてだ、黒の貴族の娘も悪くないが」玩具にされて哀しみでエリンシアの瞳には涙が浮かぶ。巨人族の言葉はまだ分からなかったが 王が自分を気にいってる事はよくわかる。
しばらくして数日後、ある日の朝エリンシアは魔法の火で喉を焼かれた 「ぎゃああ、ひぃぃ」悲鳴が上がるエリンシアの身体の奥にしまわれてる白い翼は 無理やり引きだされ、切り落とされる「数時間もすれば、痛みも引く、喉も背中も どちらの薬も用意はしたこれからは無口で従順に巨人の王に仕えるのだぞ」捕虜となった他の娘達ともに、連れ去られたエリンシア鉄格子の馬車が数十台、囚われた人達を乗せ、彼等を奴隷とする為に巨人族の国へと向かう「うう…」「ううぅ」泣き声にうなだれ者達その中には、エリンシアの姿もある。◆ ◆ ◆巨人族の国に連れてゆかれ、次には巨人族の王に献上される為にまた、数日をかけて、今度は馬に。乗せられて 巨人族の王の元に連れて行かれた先導するのは、ヴァン伯爵の操り人形となり 自らの意思を持たない異形の竜の戦士セルト巨人族の王への贈り物の荷物の中には あの魔法画 白い白鳥の絵に赤い子供の竜の絵もあった。先に囚われた幼いテイタル王女は巨人族の国に向かったという雪の街、市場の近くには、豊かな黒の国からの産物が加わり、並んでいる 多くが占拠した黒の国の街からの略奪品小麦に米などの穀物、森の様々な獣の肉、幾種もの果実海に川の魚に、家畜の肉魔力を帯びた宝石、ダイヤにルビー、アクアマリン、トルコ石、サフイア、金、銀に装飾品そうして、道行く中には、奴隷にされた黒の国の民も混ざっていた。冬の長いこの地では、寒さに強い家畜に数種の植物が主な食料、鉱山では珍しい宝石があるが
身体が回復すると間もなくの事・・ 夜・・風呂に入れられて後ヴァン伯爵の寝屋に連れてこられた「御身体の御加減はいかがですエリンシア姫?ところで流産した子は黒の王かリュース公の子か?」「テインタル王女はご無事なのですか?」「今はね 無事でいてほしいなら 言う通りにする事だ・・」「?」エリンシアに近づく・・エリンシアの顔を指先で持ち上げヴァン伯爵はくちづける「いや!」「おや? 逆らうのか? いいのか テインタル王女がどうなっても?」「先月 初潮を迎えたという・・もう立派な娘だ」「テインタル王女は まだ12歳です!」「ふふ・・あの美貌の黒の王妃譲りの美しい少女だ」舌舐めずりをする「やめて!お願い!」「では・・逆らわない事だ エリンシア姫」エリンシアの服に手をかえて 彼女の腰布を緩めて 服を脱がす「白の宗主の側室でもあったと聞く 楽しませてもらうぞ」エリンシアの瞳から涙が零れ落ちる・・抗う事も出来ずに 一夜をヴァン伯爵と過ごし その次の朝「そうだ、楽しませてくれた褒美だ」そう言って 小箱を渡すエリンシアの小箱 リアンに貰った金の髪飾りにエイル達の小さな絵や手紙の数々が入っている小箱を抱きしめるエリンシア 身体が震え 涙がとめどなく流れ落ちる
異変は 突然にその夜の遅くに始まった 悲劇の始まり悲鳴の数々!剣を打ち鳴らす音! 火薬か魔法により 建物の石垣が大きく崩れる音エリンシアは寝床から、飛び起きて 金の髪飾りに手紙やエイルたちの小さな絵が入った大事な箱を持って部屋を駆け出すエリンシア姫付きの女官たちは見当たらない怒号が聞こえてきた。「ヴァン伯爵と白の国の裏切りだ!」「北の巨人族の兵士と裏切った黒の貴族の兵士が!ぎゃああ」どうしようかと思い悩んだが まずは 黒の王妃アリアンの元に行ってみる事にした白亜の美しい柱の廊下は所々、壊れて 先日竜の老人が 持ってきた飾ってあったはずのあたりには黒の王達の家族の絵その絵は炎に包まれ、焼けていた。魔法画の白鳥の絵、赤い子供の竜の絵は、見当たらないどうやら、何者かに持ち去られたようだった エリンシアをモデルにしたと言った竜人の老人が描いた絵「王妃様!」部屋に飛び込むと そこには 槍で貫かれて、絶命していた黒の王妃が倒れておりまだ幼児だった 黒の王子 アリシュア王子の死体・・哀れな骸となって床に転がっていた「ああ、なんて事!」王たちの守護者 竜人の守護者アレルドの無残な死体も転がっている「あ・・ああ」近くには、黒の王である竜の王が身体中血まみれとなり 剣を杖代わりに上半身だけ起こしていたのだが「王様!」「白の国の裏切りだ・・彼らが守る、黒の国に通じる道にある城の城門を開いて巨人族の軍を通した・・」「すまぬ、少し日時を読み間違えたそなたと王女テインタル姫だけは助けたかったのだがなそなたをリュース公の元に連れてゆき、王女もリュース公の元に…やはり、残酷な運命から逃れなれない…か」ぐふ・・血を吐き出して、そのまま、力尽きる「王様! 黒の王様!アージェント様、お願い目を…目を開けて…!」瞳を閉じて、みるみる冷たくなってゆく「ああ・・そんな」エリンシアの瞳から涙が零れるハッと気がつくと首に魔法の首輪をした竜人が傍に立ちエリンシアには目もくれず無表情に近くに来て 抱きしめていたエリンシアから王の身体を奪い、そのまま王の首を斬り落とした「!」驚きと恐怖でその場に座り込むエリンシア赤い血の海 それに立ち込める煙 あちらこちらから聞こえる悲鳴竜人は黒の王アージェントの首を無造作に袋に入れるドア
王妃達とエリンシアが中庭でおた一時を過ごしていた。「まあ、また私に魔法画の赤い子供の竜が懐いてるわね」王妃の肩に赤い子供の竜が、とまったり、膝で一回転をしたりする。そして、傍にあるサクランボのパイをかじったり!その後、アリアン王妃をとても、嬉しいそうに見ている赤い子供の竜「本当ね、御母様」ティンタル王女が笑う「……」そんな様子を見ながら、赤い子供の竜が黒の王子アーシュランがモデルだと言う話を思い出すエリンシアもしかして、王子は王妃を慕っていたのかも知れない。魔法画の白鳥の方は、まだ幼児の弟王子アジュアリに寄り添うアジュアリ王子は嬉しそうに笑っている。「うふふ、お母しゃま、エリンシア」「あら、何かしら?」「なんですの、王子様?」ジッと二人を見て笑った後で、アジュアリ王子は金色の瞳を輝かせて一言。「大好き、お母しやま、エリンシア」「エリンシア、大好き、ずっと一緒」「あらまあ、うふふ、アジュアリ王子はエリンシア姫が大好きですって」アリアン王妃「ま、光栄ですわ、王子様」「風が強くなってきたわ、部屋に行きましょうか?エリンシア姫、また、後で、羽琴の演奏をお願いするわ」「はい、王妃様」◆ ◆ ◆執務室に王とリュース公がいた。「二カ月以内に、エリンシア姫と娘のティを預かってくれ、リュース公」王青く、硬い表情でリュース公は頷く「…運命の時間ですか?」「ああ、どうやっても抗えない、エリンシア姫とティ、ティンタル王女だけは時期を外せば逃れ、助かる」「王」「私と王妃とアジュアリ王子は…仮に王都を離れても、殺される運命だ」「私の王、アージェント、アージェン」「ふむ、その呼び方は、そなたリュース公リジャイアスが昔、女性体で私の恋人だった頃の呼び方だ」「私は両性体で、兄が亡くなりましたから、今では男性体になりましたから、可愛い娘もいますので」 「今は私は、昔、以前の女性体でも、恋人でもありませんが、家臣として、友人として、どれ程、貴方が大事かは分かるはずです」「リジャイアス」彼の頬、浮かんだリジャイアスの涙を指先で拭う◆ ◆ ◆執務室の外、廊下に通りすがりのエリンシアがいた。聞こえてきた会話、ドアが少し開いていたのだった。「王、貴方は狂王の父親から、私を守ってくれた」「ああ、父親、あの男は戦上手であったが、残忍で、狂っ
王宮の廊下にて「これはエリンシア姫、お久しぶりです」「まあ、リュース公様、お久しぶりですわ」微笑するリュース公ににこやかに笑い、挨拶をするエリンシア「エリンシア姫は少し見ない間に、とても美しくなられたようですね、黒の王も最近はすこぶる機嫌が良いですし」「リュース公様」「国を支える王としての責務もありますが」「子供時代は父親、狂王だった父王の虐待に、予知などの能力でひどく、神経をすり減らしていますから」「予知、未来視は幾つかの可能性、その中で荒波を漕ぐ船のように、瞬間、瞬間を選び最善を尽くすそうです」「王アージェント様は…休む事なく幻視、ヴィジョンを見続けなくてはならないそうで、気が休まらない時も多かったそうです」「え?」「いえ、まぁ、気にされないで下さい」「それより、エリンシア姫、黒の王アージェント様より事情は聞いております、懐妊されたとの事このような形ですが、私はお祝いを申し上げます」リュース公は言葉を続ける。「数ヶ月以内に出産して、身体が落ちつくまで、私、リュース公の湖畔の城か、別邸に滞在されて下さいエリンシア姫」「その後は、そのまま、滞在されても或いは、私が生まれた子供を我が子として預けて、黒の王宮に戻られても良いですから」「リュース公様」涙ぐむエリンシア「私は貴方の事が好きです、姫もし、万が一、私の事を気に入って下さるなら、貴方を妻に迎えたい」そう言ってリュース公はエリンシアの手にそっとキスをして、微笑して立ち去った◆ ◆ ◆そうして、次の晩黒の王アージェントとの約束した山の谷間の花畑へ、二人だけの秘会「なんて、綺麗」虹色の水晶の中に花畑、光を放つ蝶達が舞う場所 夜の月灯りが光を投げかけている。小さな泉と川の水音がしていた。「どうやら、気に入ってくれたようだ、エリンシア姫は高価な宝飾品より、こちらの方が嬉しいようだから」「王様」「エリンシア姫の羽琴にはいつも心が癒やされる」「私には少し感謝というものが欠落しているようだからな」「王様」「今という場所にいるのか、未来の別の場所にいるのか、時々、分からない時かある」「未来は幾つかの可能性、例えばエリンシア姫でなく、そなたの子供エイルが人質として来る未来もあった」「無論、変えられない運命もある、どう足掻こうとも…」黒の王、アージェント彼は