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5話 借金取り

Author: ニゲル
last update Huling Na-update: 2025-07-08 07:45:12

「お前がさっさと金を払わないからそうなるんだぞ……ほら利子分払ってもらおうじゃないか」

「それは先週支払ったはずですよ!?」

「事情が変わったんだよ!! お前が口答えできる立場かあぁん!?」

男は胸倉を掴み上げようとするが、ロンドさんがそうはさせない。

「手を出すなら流石に黙っては居られなくてね」

「そうですよ……いい加減にしてください」

わたしも怖けず、倍近くある体格の奴らに凄んで見せる。だがロンドさんの圧にすら反応しないのにわたしでどうにかなるはずもなく、一人がこちらに迫ってくる。

「どこの誰かは知らないがガキは引っ込んでろ」

「ガ、ガキって……あなた達本当に……」

こちらが反抗の意思を見せると男は更に詰め寄ってくる。

「どうやら痛い目見ないと分からなくらい頭が弱いらしいな」

拳が強く握られ、ぎゅぅぅと鈍い音を立てて男はそれを振り上げる。

「危ない!!」

ロンドさんが止めに入ろうにも他二人が邪魔で咄嗟に近寄れない。

(頭……が……)

突如世界の全てがスローモーションになる。拳が止まったようにゆっくり動き、ロンドさんの発する声も鈍く低い。

(意識が……)

遅くなる世界に対して頭痛は加速していき、わたしは意識を途切れさせるのであった。

⭐︎

「お、おい大丈夫か!?」

次に意識が戻ったのはどれくらい時間が経った後なのだろうか。拳を振り上げていたはずの男が目の前で蹲っており、他二人が背中を摩っている。

周りの反応や陽の光の入り方から等から推測しても数秒程度しか時間は経っていなさそうだ。

「ごほっ……テメェよくも……!!」

「ここは引いときましょう……」

先程までの威勢はどこに行ったのか。男二人は倒れた奴に肩を貸し、そそくさとこの場から立ち去ろうとする。

「待っ……いやそれより大丈夫ですかご婦人」

ロンドさんは暴行を加えた奴らを引き止めようとするが、腫れた頬を抑える彼女を優先する。わたしも台所を貸してもらい、タオルを濡らし腫れている部分に押し当てる。

「ありがとうございます……」

そこまで酷い怪我ではない。腫れてはいるものの数日、早ければ今日中にも治るだろう。しかしその間に男達は店から出て完全に逃げ去っていた。

「ご婦人今のは?」

「借金取りです……夫がここを始めた際に借金をしたのですが、最近になって急にこんな過激なことを始めて……」

「あんな暴力するなんて……早く衛兵さんとかに言いましょうよ!」

「いや……あまりそれはおすすめできませんね」

「え? 何で?」

「今ある証拠はご婦人への暴行だけ。恐らく伝えたとしてもトカゲの尻尾切りのように部下だけが捕まり本質的な解決にはならないでしょう」

確かに今回は男の一人が手を上げただけ。他二人は捕まえられないし、きっとあの三人もただの末端である可能性が高い。

(一筋縄ではいかなそうね……)

「ママ……大丈夫?」

娘さんはまだ怯えており、目には流せなかった涙を少し溜めている。

「うん大丈夫……だからリコは二階に戻ってて?」

「はい……」

溢れるほどあった元気さはすっかり枯れており、暗い顔をしながら二階に戻っていく。

「あの三人が所属しているところからお金を借りてしまったのですか?」

「いえ……借りたのは旦那なので詳しいことは分かりませんが、確か最初は別の人だったはず……その人は暴力なんてもってのほかで、優しい人でした。でもある時期からああいう怖い人達が来るようになって……」

きっとあの輩どもが債権を買い取った、もしくは奪ったといったところだろう。そういうのは得意そうな風貌だった。

「あの人達のことは完全にこちらの問題です……あなた方は気にせず夫を探してください」

「いやでも……」

「お願いします!!」

彼女はわたしの肩を掴み、必死の形相で訴えてくる。その緊迫さは何かに縋っているようで、あまりの気迫にわたしは気押されてしまう。

「分かり……ました。依頼者であるあなたがそう願うなら、その依頼きっと解決してみせます」

依頼者があの借金取りではなく、旦那との再会を望んでいる。わたしは依頼者の願いを叶え、未来と笑顔を作る探偵だ。それを最優先しなければならない。

「それと……わたしがあなたを、娘さんを、家族を笑顔にしてみせます。絶対に」

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