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第8話

Author: 九月の楓
車を駐車場に入れ、エンジンを切った。

一彦は車を降りず、スマホを見た。もう夜の8時だった。

午後5時から、すでに3時間が経っている。

まだ3時間しか経っていないのか?

一彦は、これほど長く感じられる3時間を初めて経験した。

彼は2日前のしゃぶしゃぶ専門店での食事を思い出した。

栞はわざわざ仕事を休み、6時間も並んでくれたのだ。

彼女はどうやって、あんな退屈な6時間を耐え抜いたのだろうか?

その間、彼女に喉が渇いていないか、お腹が空いていないか、寒くないかと一度も聞いたことがなかった。

激辛料理の店がいいと譲らない彼女に対し、わがままだと叱りつけてさえいた。

なんてひどいことをしてしまったのだろう?

一彦はタバコに火をつけた。

一本吸うと、すぐにまた火をつける。

灰皿に吸い殻が山積みになっても、まだ車を降りる気にはなれなかった。

上の階に行きたくないというより、行く勇気がなかった。

心の中に不安が積もっていく。栞が今回怒っているのは、いつものただのわがままではないと、うっすら気づいていた。

自分がどれほど栞を必要としていたか、初めて実感した。

そうして窓
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