Brothers At war

Brothers At war

last updateTerakhir Diperbarui : 2022-07-28
Oleh:  Isa BellaOngoing
Bahasa: English
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Sinopsis

Brother's at war Bulb Alpha longan is the rightful leader of the Greenwood pack. He is an haughty, heartless and ruthless guy with an extraordinarily intimidating demeanour. When it was time for him to assume leadership his twin brother stood as an obstacle going against the decision of Luna, the Goddess of the moon. The fight brought a total division in the Greenwood pack as some members of the Greenwood supported Alpha Logan while others supported his brother. What happens when Luna decided to bring up a challenge between both brothers and find out who was really the chosen one.

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Bab 1

Begining

雪山の頂を目指すこの旅は、私、愛川真央(あいかわ まお)と日下部啓斗(くさかべ けいと)が前から約束していた、プロポーズのための旅だった。

出発前夜のキャンプ地で、ガイドが装備を確認していたとき、予備の防寒具が一式余っていることがわかった。

「日下部さん、予備が一式あります。どうしますか?」

その場にいた全員の視線が、私に向いた。

この登山が、私たちにとって特別なものになるはずだと、みんな知っていたからだ。

けれど啓斗は、隅でしゃがみ込み、寒さに震えている後輩――南条未亜(なんじょう みあ)に目を向けた。

啓斗の声は、あくまで穏やかだった。

「未亜に渡してください。本格的な雪山は初めてでしょうし、まずは体を慣らしたほうがいい」

未亜は頬を赤らめ、両手で装備を受け取ると、声を詰まらせた。

「ありがとうございます、啓斗さん」

ガイドは一瞬黙り込んだが、それ以上は何も言わなかった。

親友の城島美咲(じょうじま みさき)から、衛星電話が入った。

電話口の美咲は、ものすごい剣幕だった。

「あんたたち、山頂でプロポーズする約束だったんでしょ?それなのに、なんで南条まで一緒なのよ!?」

私は小さく笑って、込み上げかけた感情を押し込めた。

「いいの。私は予定どおり登るから」

山頂までは行く。

そこで、啓斗が口にするはずだった言葉を待つ。

最後まで彼が何も言わないのなら、そのときはもう、それでいい。

未亜が装備を受け取った瞬間、目のふちがうっすら赤くなった。

彼女は顔を上げ、啓斗を見つめた。

「本当にいただいていいんですか?でも……真央さんは……」

言いながら、未亜はおずおずと私のほうを見た。

啓斗は気にも留めない様子だった。

「真央はこのくらいの雪山なら3回登ってる。体力もお前よりずっとある。未亜は初めてなんだから、慣れるまでは見てやらないと」

未亜は装備を胸に抱え、うつむいたまま小さく言った。

「ありがとうございます」

けれど、その声にはかすかな弾みがあった。

そばにいたガイドが一度私を見たが、何も言わなかった。

私はザックから予備の貼るカイロを取り出し、封を切ってお腹に貼った。

たいして暖かくはない。それでも、しばらくはしのげる。

啓斗はその後も、未亜のテントの前に残っていた。

身をかがめて未亜の装備を整え、ベルトやバックルの締め方を一つずつ教えている。

未亜は笑顔で啓斗を見上げ、何度も「うん、うん」と頷いていた。

啓斗をすっかり頼りにしているのが、遠目にもわかった。

遠くから見ると、二人だけで絵になっていた。

そこに私の居場所はなかった。

衛星電話がまた鳴った。

出るなり、美咲が怒鳴った。

「真央!あの装備、私に頼んでスイスから取り寄せたやつでしょ!

それに、真央だってまだ一度も使ってなかったじゃない。それを啓斗が、あっさり南条に渡したってこと!?」

「美咲、落ち着いて」

「落ち着けるわけないでしょ」

美咲は少し声を落とした。それでも、苛立ちは隠せていなかった。

「そもそも、山頂で啓斗があなたにプロポーズするって話だったでしょ。あなたが受けたら、帰ってすぐ婚約パーティーをするって。

それなのに、南条が急に加わった?一体何よそれ?

あなたの装備まで渡して……あいつ、本当にあなたにプロポーズする気あるの?

これじゃ、誰にプロポーズしに山頂へ行くのかわからないじゃない」

私はテントのポールに背を預け、遠くまで続く雪の稜線を見つめた。

夜風は冷たかった。月明かりを浴びた峰だけが、闇の中で白く浮かび上がっている。

「美咲」

声を落として呼ぶ。

「何?」

「啓斗にも考えがあるんだよ。あの人、困ってる人を放っておけないだけだから。美咲も知ってるでしょ」

電話の向こうで、少し間が空いた。けれど、美咲の声はまだ尖っていた。

「真央、そうやって何でも啓斗の味方しないで。

じゃあ聞くけど、今回の登山に未亜まで入れるって、誰が決めたの?」

私は答えられなかった。

そう決めたのは、啓斗だった。

2か月前、啓斗と登山の計画を立てていたころは、まだすべてがうまくいっていた。

ルートも決めた。装備もそろえた。

山頂で言うつもりのプロポーズの言葉まで、啓斗はこっそり紙に書いていた。

紙いっぱいに書いては消し、何度も書き直していた。

あの夜、私はその紙を胸に抱いたまま、長いこと泣いた。

啓斗が慌てて部屋に入ってきて、どうしたのかと聞いた。

私は紙を背中に隠し、虫が出てびっくりしただけだと言った。

彼はあっさり信じた。

けれど、その1か月後。

別の研究室にいた未亜が、啓斗のいる研究所に移ってきて、何もかもが変わった。

研究テーマの都合で啓斗の指導を受ける必要があるとかで、教授が半ば押しつけるように任せてきたらしい。

未亜は23歳で、小柄で可愛らしいタイプだった。声も話し方もやわらかい。

何かあるたびに啓斗を頼り、甘えるように声をかける。

まるで、それが当たり前みたいに。

啓斗も、そんな未亜を放っておかなかった。

夜中まで論文の手直しに付き合い、データ取りを手伝い、昼休みには彼女がちゃんと食べているかまで気にしていた。

私は一度、啓斗に聞いたことがある。未亜に少し構いすぎじゃないか、と。

啓斗は困ったように笑って、軽く受け流した。

「困ってたから助けただけだ。いちいち気にするなよ」

その後、啓斗は、未亜が昔から雪山を見たがっていたと言い、一緒に連れていけないかと私に聞いた。

「一人増えるくらい、いいだろ。家族と揉めたばかりで落ち込んでるんだ。気晴らしにはちょうどいい」

私は、いいよと言った。

あのときは本当に、それでいいと思っていた。

最後に山頂で向き合うのは、私と啓斗のはずだったから。

テントの入口が外から開き、啓斗が顔をのぞかせた。

風に吹かれた頬も鼻先も赤く、白い息がこぼれる。

「まだ起きてたのか?」

啓斗は中に入り、私の隣に腰を下ろした。

私は衛星電話を寝袋の中へ滑り込ませた。

「楽しみすぎて、眠れないの」

啓斗は笑って、私の肩を抱き寄せた。私はそのまま彼にもたれた。

「明日は次のキャンプ場まで上がる。明後日、天候が良ければそのまま頂上アタックだ」

落ち着いた、やさしい声だった。

「山頂に着いたら、話したいことがある」

胸がどきりとした。

「話って?」

「それは、着いてから」

啓斗は顔を寄せ、私の額にそっとキスをした。

テントの外では、風が唸っていた。まるで山そのものが吠えているみたいだった。

それでもあのときの私は、啓斗の腕の中こそが、世界でいちばん暖かい場所だと信じていた。

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