Frozen Heart (the Heart Series, book 2)

Frozen Heart (the Heart Series, book 2)

last updateLast Updated : 2023-12-27
By:  Amy TOngoing
Language: English
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5 ratings. 5 reviews
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After a war between two kingdoms, that lasted thirteen years, princess Ayla is given to King Rhobart as a slave. She expects the worse but when she arrived in Nordmar, home of King Rhobart, Ayla is never treated as a slave. As time passes she transforms from a shy person to a person that keeps provoking the King with each step. Until she falls in love with him. But loving the King is not easy, because Ayla will soon learn that King Rhobart is a man haunted by his past. When the Orcs are on the verge of starting a war against all the kingdoms, Ayla will receive visions that will lead her to discover things she never knew about her. Will the Orcs win the war or will Ayla find a way to save the man she loves. And not only him, but the entire world.

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Chapter 1

Chapter 1

婚約者が警察に連行され、私に身柄を引き取ってほしいと電話をかけてきた。

私が到着して初めて知った。彼が人と殴り合いをして捕まったのだと。

そして、その喧嘩の理由は、なんと彼自身が浮気相手として、現場を押さえられたからだった。

「俺はただ、幸与の身を案じて付き添っただけだ。幸与の彼氏は俺を信じてくれないが、お前は信じてくれるだろう?早く金を払ってくれ」

彼は薮井幸与(やぶい さちよ)を抱きながらそう言った。ベルトには引っかかったレースの下着が透けて見えていた。

かつての私なら、怒鳴り散らして詰問したに違いない。

だが今の私は、ただ平然と署名するだけ。

警官に彼との関係を尋ねられ、ペンを握る手が一瞬だけ止まった。

しばし考え込んだ末、ようやく口を開いた。

「私は彼の雇い主です」

署名を終えたあと、兄にメッセージを送った。

【例のお見合い、行くことにする……日取りは三日後にしましょう】

……

警察署を出たあとも、幸与の恋人はまだ傍らで大声を張り上げていた。

その一方で、宗像広夢(むなかた ひろむ)は幸与の肩を抱き寄せ、まるで自分の所有権を誇示するかのようだった。

そして幸与自身も広夢を庇うように同じことを口にした。

数分も経たぬうちに、その男は罵声を残して彼女と別れ、立ち去った。

私、出羽和音(でわ かずね)は彼ら二人が気持ちを通じ合っている様子を見るに堪えず、さっさと助手席に乗り込んだ。

ちょうどシートベルトを締めた瞬間、幸与が私の手を掴んだ。

しかし彼女の視線は私を越えて運転席の広夢へと注がれていた。

「広夢くん、私、ひとりで後ろに座るのが怖いの……」

そう呟いたとき、涙が瞳にたまり、清らかにきらめいて見えた。

最後の言葉を言い終えると同時に、涙は静かに頬を伝って落ちていった。

絶妙な弱さの演出。

それこそが広夢の最も好むものだった。

私は苛立ちを抑えきれずに彼女を急かした。

「じゃあ、自分で歩いて帰りなさい」

騒がしかった空気は一瞬で凍りつき、場は気まずい沈黙に包まれた。

そのとき広夢が冷ややかに私を叱責した。

「和音、お前はなんて冷酷なんだ!こんな寒さの中、こんな距離を歩かせるつもりか。幸与を殺す気か!お前が後ろに座れ!」

拒む隙もなく、彼は私のシートベルトを先に外してしまった。

言葉を発する前に、幸与は項垂れ、小さな声で呟いた。

「全部私が悪いの……やっぱり歩いて帰るわ」

涙が床に落ち、その一滴一滴が広夢の心を刺したかのようだった。

彼は慌てて車を降り、かつての紳士的な面影を失い、ただ横暴な男の顔をしていた。

助手席から私を無理やり引きずり出した。

膝が真っ直ぐにコンクリートの地面に打ち付けられ、痛みで思わず声を上げた。

しかし広夢は、そんな私を一瞥すらせず、幸与を大事そうに車へと乗せた。

そして運転席に戻り、窓を開け、冷ややかな視線を向けてきた。

「そんなに歩かせたいなら、自分が歩いて帰ればいい。俺は先に幸与を送る」

幸与は私に「ごめんなさい」と口にしながら、その顔には勝ち誇った色が浮かんでいた。

「和音さん、道中お気をつけて」

窓が閉まる直前、広夢の声が最後に突き刺さった。

「今夜は帰らない。幸与と一緒に過ごす」

そう言うと、車は発進した。

彼らが指を絡め合った手さえ、はっきり見えた。

遠ざかっていく車の影を見つめながら、言い表せない悲しみが胸を締め付けた。

携帯の着信音が鳴り響いて、ようやく我に返った。

「和音、入江家との約束は取り付けたぞ!」

入江正城(いりえ まさしろ)――それが兄の用意したお見合い相手の名だ。

以前食事会で一度だけ顔を合わせたことがあるが、確かに稀に見るイケメンだった。

私が黙っていると、兄はさらに小言を続けた。

「和音、ようやく目が覚めたな。あの貧乏人のどこがいい。

使用人の息子なんて、君の髪の毛一本にすら値しない。君だけが馬鹿みたいに彼のために家と争って……」

その言葉は巨大な岩のように胸にのしかかり、息苦しさを覚える。確かに、彼は私に釣り合わない。

思えば、家から決められた結婚を逃れるために自立を選んだあの頃、私は広夢に出会った。

彼の献身と細やかな気遣いに心を奪われ、これこそ真実の愛だと信じた。

五年の歳月を共にし、彼が貧しい若者から今の立場に至るまで、私は支え続けた。

彼が「自分に自信がない」と言えば、私は貯金を切り崩して援助した。

彼が「父親になりたくない」と言えば、私は子を堕ろした。

当時の私は信じていた。真実の愛さえあれば、あらゆる困難を乗り越えられると。

彼が私を愛してくれるなら、どんな苦しみも耐えられると。

だが今、私は疲れ果て、もう耐えたくない。

宗像広夢、私は結婚する。

けれど、その新郎はあなたではない。

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Comments

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kathryn duvall
Fantastic Bbok
2023-04-20 07:55:51
1
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Chris Xena
...... its a mind blowing novel
2022-07-15 17:43:15
3
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Serenity
I love this book
2022-07-14 07:26:47
1
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Shannan Soucy
I absolutely loved this book. I just wish the author would complete it! So amazing and very different from anything else I have read!
2023-05-30 13:11:15
2
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Shannan Soucy
love this book, but the author just wrote that she isn't sure if she's going to finish it! WTF?
2022-09-02 07:09:48
1
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